SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

Security Online Day 2023 春の陣

2023年3月14日(火)10:00~16:00

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine Press

ガートナーが語る、地政学リスクが「IT調達」に与える4つの脅威

Gartner バイス プレジデント, アナリスト ブライアン・プレンティス氏 インタビュー

 2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を機に、世界的に地政学リスクが増大している。IT調達の責任者であるCIOも無関心ではいられない。地政学リスクへの対応は企業全体で取り組みを強化するべきテーマに浮上している。世界のパワーシフトと混乱はIT調達にどんな影響をもたらすのか。ガートナーのアナリストに訊いた。

仮にグローバルSaaSベンダーがロシアから撤退すれば

Gartner バイス プレジデント, アナリスト ブライアン・プレンティス氏
Gartner バイス プレジデント, アナリスト ブライアン・プレンティス氏

 地政学リスクがIT調達にもたらす影響を理解する上で重要な考え方が「デジタル自由貿易」である。プレンティス氏はその構成要素として、「グローバルベンダーの活用」「国際標準のプロトコル利用」「労働者の自由な移動」「企業内における自由なデータ流通」の4つを挙げた。デジタル自由貿易の前提秩序が安定を欠くようになったトレンドは、IT部門がハードウェア、ソフトウェア、サービスを調達する上で大きな制約になる可能性が高い。IT調達は具体的にどう変わるのか。それぞれの要素で見ていく。

 まず、グローバルベンダーの活用に影響しているのが国際情勢である。ロシアのウクライナ侵攻以降、西側諸国に本社を置く企業が相次いでロシアからの撤退を表明した。マクドナルドの事業撤退が象徴的なニュースとして報道されたが、実際は企業ごとに温度差がある。と言うのも、個々の企業で文字通りの撤退が難しい事情があるからだ。

 例えば、販売拠点を設置しているわけではないが、生産拠点をロシアに置いている食品メーカーのように、ロシアで生産している商品を別の国で販売している場合がある。冷戦終結後に経済のグローバル化が進んだことで、サプライチェーンからロシアを切り離すことはさほど簡単なことではない。グローバルITベンダーも同様だ。ベンダーの中には、新規顧客への契約を停止しただけで、既存顧客のサポートは継続している場合があるなど、「撤退」と聞いてイメージする事業清算とはズレがあるケースも見られる。

 内容がどうあれ、多国籍企業としてのグローバルITベンダーがロシアとの取引を自発的に停止することでもたらされる業績への影響は、さほど大きな問題にならないかもしれない。「売上全体に占めるロシアの割合は比較的小さいため」と、プレンティス氏はその理由を説明する。しかし、多国籍企業のIT調達の観点では、グローバルベンダーの選択の前にリスクの事前アセスメントを実施する必要が出てきそうだ。

 仮にグローバルSaaSベンダーがロシアから撤退すれば、ロシアのインスタンスは使えなくなる。クラウドではなく、オンプレミスで複数のインスタンスを運用している場合は、環境全体が使えなくなるわけではないがベンダーのサポートを受けられなくなる。IT部門は、テクノロジーベンダーの意思決定がどのように自社のビジネス継続性に影響するかも検証しなくてはならなくなった。

次のページ
次期ITU事務総局長選挙で起きたインターネットの覇権争い

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/16987 2022/11/29 08:00

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2023年3月14日(火)10:00~16:00

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング