
前回は「オープンディレクトリ」の定義を詳らかにし、IT専任の担当者がいない中堅・小規模企業が導入するメリットについて解説した。最終回では実際にオープンディレクトリソリューションを体現した製品の1つである「JumpCloud Open Directory Platform」を導入している企業に焦点を当て、その効果や運用方法を紹介する。Active Directoryを中心とした既存システム環境の見直しを検討している企業の担当者はもちろん、ディレクトリ管理自体に課題を抱えている中堅・小規模企業の経営層は、ぜひ参考にしていただきたい。
オープンディレクトリのプラットフォームを提供するJumpCloud
JumpCloudは米国コロラド州ルイスビルに本社を置く2013年創業のスタートアップ企業だ。ID認証とデバイスを一元管理するオープンディレクトリプラットフォームをスクラッチから設計、構築している。
クラウドネイティブ、クロスプラットフォーム、リモートワークを代表とする柔軟な働き方など、現在の企業システム環境を効果的に管理運用するソリューションをSaaS(Software as a Service)で提供している。当然、導入する側はオンプレミスのサーバなどを必要としない。
同社が提供するソリューション「JumpCloud Open Directory Platform」は、シングルサインオンや多要素認証といったアクセス制御、Windows、Mac、Linux、iOS、Androidといった異なるOSをカバーするデバイス管理、さらにはネットワーク機器へのアクセスを制御するRADIUSサーバや社内アプリ、共有リソースへのアクセス制御のためのLDAPサーバの機能をクラウドベースで実装している。
JumpCloud Open Directory Platform では企業のITインフラを一元的に管理し、セキュリティを担保する。
複数のソリューションを組み合わせることなく、単一のソリューションで現在のIT部門の課題を解決することが可能な「オープンディレクトリ」ソリューションを体現した製品の1つだ。


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小池 浩之(コイケヒロユキ)
Celio株式会社
新規事業開拓 兼 マーケティングマネージャー
Celio株式会社は2009年設立。クラウドID管理製品の導入におけるコンサルティングおよび導入支援を中心に、Okta導入決定前のP.O.C評価の支援などを実施。モバイルアクセス制御の観点で、MDM(EMM)製品との比較におけるIDaaS製品のP.O.C評価支援 M365, GoogleWorkspace, AWS, Box, Conc...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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