テプコシステムズは21日、日本HPセミナールームにてユーザ企業向けのセミナーイベントを開催した。同セミナーでは、テプコシステムズが自社開発する業務効率化ツール「exDirector」についての説明が行われたほか、実際に製品を利用して業務の効率化を実現した事例も紹介された。
業務を遂行する上でExcelを利用する機会は非常に多い。ERPやCRMといったパッケージが普及しているとはいえ、「システム化するほどではない」細かい業務は多く残されており、その部分をカバーする役割を担っているわけだ。ただし、Excelでの管理の場合、定型化されたデータベースと違って集計や分析に大きな手間が生じるほか、ファイル自体を管理する手間も大きいなど多くの課題を抱えていることも事実だ。
こうした課題に対する解決策としてテプコシステムズが提案するのが「exDirector」だ。同製品は、集計・集約や帳票作成などのExcelにかかわる各種操作を自動化することによって、日常業務の負担を軽減するもの。同社ビジネスソリューション部の齋藤氏は「システム構築の業務においてお客様から寄せられた要望から生まれました」と製品誕生の経緯について語る。
例えば、上長が営業日報を確認する業務であれば、通常は部下が提出した報告書を逐一開いて確認しなければならないが、exDirectorを使って自動集約の対象としておけば、報告を一覧表として集約したものが自動生成される。集約された一覧表に記入されたコメントは、集約対象となった個別の報告書にも反映されるようになっている。
このように、exDirectorにはExcelのファイルやデータを操作するための機能が多く備えられており、システム化の及んでいない業務領域のさまざまなニーズに対応できる。既存のExcelシートをそのまま利用できるほか、プログラム言語を必要としないため、導入にかかる負担が低く設定されていることも特徴だ。製品導入後もインタフェースに変化はないので、ユーザ側も抵抗なく利用できるようになっている。
「IT投資が冷え込む中、発売後の2年間で百数十社の導入事例を獲得することできた。ライセンスの安さもさることながら、Excelの業務活用という課題に対応したところが支持された結果ではないか。さまざまな作業がExcelで完結すれば、本当の意味での業務効率化が達成できる。アイディアマンがいれば、どんどん新しいツールを作ることができるのがこの製品の特徴」とテプコシステムズの梅川氏は語る。
製品に関するプレゼンテーションの後は、日本証券テクノロジーの竹村氏が登壇し、exDirectorによって実際に業務効率化を達成した事例を紹介した。同社では、システム部門のPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)で活用するシステムの一部で同製品を導入。それまで半日を要した生産管理データの分析が数分へと短縮したほか、やはり1週間程度必要だった予算のとりまとめが1日で完了するなど、大きな効果が得られたことを説明した。