2009年7月24日、東京証券会館にて「システム管理者感謝の日」が開催された。本稿ではその中で行われた講演の内容を、全3回に渡ってお届けする。(前編はこちら)
オープン化への変化がシステム管理を変えた
システム管理の現場ではいくつかの技術の波が来ている。現在はメインフレームの時代が終わりかけ、オープンシステムの時代であるが、今後クラウドに向けての変化が重なってくると語り、以下のように整理をした。
メインフレームの時代
今の時代から見れば完成された枯れた技術。プライオリティ制御、論理パーティショニングなどのこの時代の技術は今でも重要。システム管理のツール群はこの時代の技術によって完成されている。この時代は、ハードウェア、OS、ミドルウェア、DBが垂直統合されており、管理者のスキルも単一のベンダに依存できた。何かトラブルがあってもその会社のSEを呼べば事足りたと言える。
オープンシステムの時代
システムの分散化というのが本質。大型ではなく、ダウンサイジングで複数のサーバを使っていくので、当然「マルチベンダ化」が大きな特徴となる。それぞれの分野で複数のベンダになる。
またネットワークのオープン化により、対象ユーザーが拡散した。メインフレームの時代には端末はあくまでサーバの付きものなので、サーバルームの監視だけで済んだのが、オープン化の時代にはネットワークを介して、ユーザーの多岐のPCが接続される。システム管理者はセキュリティ管理も含めてネットワークのつながる末端までが管理対象になる。これは対象機器の範囲が膨大に増えるということを意味する
システム管理者に最も必要なスキルは「切り分け能力」
オープン化の時代問題はハード、ネットワーク、接続機器などの組み合わせやバージョンによって動作の不都合が生じることである。ここで重要となるのが管理者の習熟度(スキル)であるとし、ポイントを指摘する。
「いわゆるマニュアルに書いてあるような手法では回らなくなる。マルチベンダーシステムでは、個別のベンダーは自社の製品およびサービスにしか責任を持たないし持てない。そのため問題が生じたときに、どの要素が原因になっているかをどうやって切り分けるかということです。そのためにはシステム管理者の多機能化、インテリジェンス化ということが重要だと思っています。単にモニターを見て、何かあれば連絡をするということではない。」
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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