ガートナージャパン(Gartner)は、国内の企業ネットワークに関する最新の調査結果を発表した。
同調査は、国内企業のITリーダーを対象に、2023年4月に実施。セキュリティ・サービス・エッジ(SSE)やソフトウェア・デファインドWAN(SD-WAN)など、SASEに関連するテクノロジの導入動向について尋ねたところ、テクノロジによる違いはあるものの、SASE関連の各種サービスを導入する企業の割合は、4割程度であることが明らかになったという。
同社バイスプレジデントアナリストの池田武史氏は、次のように述べている。
「最新の調査結果は、2022年の同時期に実施した調査からわずかに増加となりました。急速に採用が進んだ2022年までと比較すると、いったん落ち着いた状況になっている可能性がありますが、今後、新たに、あるいは追加でSASEの各機能の導入を検討する企業は引き続き増えてくるとみられます。企業は、在宅勤務やパブリック・クラウドなど、インターネットを介して発生するトラフィックの増加をセキュアにオフローディングする必要がありますが、こうした課題に直面している企業は早急に自社での導入計画を立てることが肝要です」
一方、国内企業が採用している、および今後新たに採用予定のネットワーク関連テクノロジについても尋ねたところ、調査対象の半数以上の企業が、無線LANやWAN回線、インターネット接続などを既に導入していると回答。そのうち今後も増強予定と回答した企業が2割程度となった。
半導体不足やサプライチェーンの混乱およびインフレなどの影響による機器調達の遅れやコスト増、働き方の多様化により、従来のオフィスでの無線LAN設備の規模縮小を検討するITリーダーも少なくないという。
そうした中、パブリック・クラウドを使った様々なサービスの利用が増加、あるいは、より高速で快適なネットワーク環境を求める従業員の声を反映し、国内企業が様々な拠点でのネットワークの増強に向けた取り組みを進めていることが明らかになったとしている。
池田氏は次のように述べている。
「今後もトラフィックの増加や利用の多様化が進む可能性が高いため、まだ旧態依然としたネットワークのままとなっている企業は、そのアーキテクチャやテクノロジの選択を含めた、ネットワーク計画の見直しに着手することが重要です。特に、ネットワークの構築や運用に携わるリーダーには、単に機器や回線の状態を把握するだけではなく、トラフィックの振る舞い、すなわちユーザーが、快適かつセキュアにアプリケーションやサービスを利用できているかを把握し、対処することが、今後、より一層求められるようになります」
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