ChatGPTとOpenAI社の動向
プレスリリース配信サービスなどを提供するPR TIMESによると、「ChatGPT」という単語を含むプレスリリースは2023年1月には17件だったのに対し、同年5月には546件と約32倍と急増しています[1]。ChatGPTをはじめとする「生成AI(Generative AI)」への期待が高まる一方、どのようにして業務効率化や付加価値の創出といった「DX」に生かせば良いのか。まさに手探りの状況が続いている企業が大半だと思います。そこで手始めにChatGPTがリリースされてからのタイムライン(米国時間)を振り返ってみましょう。
2022年11月30日:「ChatGPT」リリース
2023年3月1日:「ChatGPT API(GPT-3.5-turbo)」リリース
2023年3月15日:「GPT-4」リリース
2023年5月18日:アメリカでiOS版アプリがリリース
2023年5月26日:日本でiOS版アプリがリリース
2023年6月13日:APIアップデート(gpt-3.5-turbo-0613、gpt-4-0613など)
こうして主要な出来事だけを時系列で並べてみても、わずか半年で非常に多くの変化が起こっています。特に、iOSアプリが登場して音声入力が可能になったことで、より手軽に長文入力ができるようになったことは、ChatGPTにおけるユーザーの裾野を広げる出来事でした。また、アプリ版にはOpenAIが開発しているオープンソースの音声認識AI「Whisper」も搭載されているため、音声から高い精度で文字を起こすこともできます。
2023年3月頃には、一部有料ユーザーからブラウザ版ChatGPTにおいて機能追加のためのプラグイン、Webブラウジング機能などが使えるようになりました。これにより、従来の弱点であった“2021年9月までの知識しかもっていない”という問題を解消しています。
2023年6月には新モデル、料金改定の発表があり、プロンプトとして与えるテキストのトークン最大数の拡大や、従来のAIモデルの料金が25%安くなるなど、API使用者にとっては非常にありがたい内容のアップデートが発表されました。
[1] 「『ChatGPT』4カ月で32倍!リスキリング、インバウンド…上期企業トレンド調査」(2023年6月21日、PR TIMES)