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1993年発売の「HULFT」は今、日米共同開発のプロダクトに──シリコンバレーからグローバル目指す

HULFT, Inc CEOの丸山昌宏氏を訪ねる

 2016年4月、セゾン情報システムズはアメリカに現地法人となるHULFT, Incを設立した。同社のファイル転送ツール「HULFT」やデータ連携製品・サービスをグローバル展開するための拠点として、また日米共同のプロダクト開発や研究開発の拠点にするためでもある。現在シリコンバレーで同社CEOを務める丸山昌宏氏に、ビジネスやテクノロジーの動向を訊いた。

SaaSが伸びれば、ファイルやデータ連携の商機増える

 世界規模でSaaS市場は急速に成長しており、直近では生成系AIを採り入れたサービスも目立つ。「SaaSが増えればデータが分散し、そうしたら(分析できるように)統合したいという要望も生まれるため、我々のチャンスは増えていきます。もちろん、その分だけ競合も増えます」とHULFTの丸山昌宏氏は言う。

 セゾン情報システムズがアメリカにグループ子会社(米国法人)HULFT社を設立したのは2016年4月。社名はセゾン情報システムズが長らく育ててきたファイル転送ツールからきており、アメリカに拠点を構えて同社の強みとなるファイル転送やデータ連携のサービス、ソリューションをグローバル展開しようという意気込みがうかがえる。

 少し前の話になるが、2015年にセゾン情報システムズは、ラスベガスで開催されたAWS re:Inventで「Think Big」賞を受賞したことがある。世界のAWSビジネスパートナーの中から9社しか選出されない「AWS Leadership Award」の受賞であり、グローバルで高い評価を受けた証しとも言えるだろう。主にデータ連携ツール「HULFT」をクラウド分野に展開した取り組みが評価されており、当時は「Saison Information Systems」という社名で受賞していた。グローバル展開に向けて、よりシンプルかつインパクトのある社名を選んだようだ。

 re:Inventでの受賞を振り返っても「HULFT」はプロダクト単体でグローバルでも十分評価されるものだ。アメリカでHULFT社が設立される2016年頃、HULFTのユーザーは日本企業が大半だったかもしれない。しかし、顧客となる日本企業は世界各国の関連企業とのファイル転送でHULFTを使っており、“HULFTに触れたことのある”企業は着実に世界中に広がっていた。そうした当時の状況を丸山氏は「日本のお客様に世界中で使っていただいている、その時点でニーズがあると感じていました」と話す。

HULFT, Inc CEO 丸山昌宏氏
HULFT, Inc CEO 丸山昌宏氏

 今ではSaaSの利用が増えただけでなく、多くの企業がデータドリブン経営を目指している。加えて、アメリカではM&Aが多いため、データを統合したいというニーズも確実にあるだろう。国産ソフトウェアが世界進出するケースはそう多くないものの、HULFTやDataSpiderの実績を考えるとグローバル進出は無謀な挑戦ではないと言える。

 HULFT社では、まずは一定の市場規模があり、かつデータが分散している製造業(とそのサプライチェーン)に狙いを定めた。システムがレガシーのまま残っている企業が多い点においてもHULFTとの相性の良さがうかがえたからだ。

 なお、HULFT社の設立当初はファイル転送(HULFT)をメインとしてスタートしたものの市場規模を見たとき、ファイル転送と比べてデータ統合が3倍ほど大きいこともあり、途中からデータ統合をメインに据えている。実際、エストニア政府の統計庁も70以上存在するデータソースの統合のためにHULFTを活用するなど、データ統合の事例を着実に増やしているという。

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iPaaSの「HULFT Square」は日米共同開発 グローバルスタンダードを採用する

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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