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“りそなショック”から20年──顧客視点を第一に考えてきた女性リーダーが実践する「アジャイル思考」

第19回:りそなホールディングス IT企画部 グループリーダー 島田律子さん

 りそなホールディングスは、2018年に「りそなグループアプリ」をリリース。アジャイル開発体制を強化し、国内トップクラスの評価を獲得する銀行アプリとなった。2021年からは、アプリ開発などDXのノウハウを活かし、「金融デジタルプラットフォーム」を構築。DX人材不足に悩む地方銀行などに提供することで、従来の枠組みにとらわれない外部との幅広い共創を目指す。りそなホールディングス IT企画部 グループリーダーの島田律子さんに聞いた。

「ライバルは金融機関ではない」アジャイル開発を進める背景

酒井真弓(以下、酒井):りそなホールディングスは、リアル店舗とデジタルの融合に積極的で、経済産業省が選定する「DX銘柄2023」にも選定されています。その中心となる取り組みが、島田さんも担当している「りそなグループアプリ」。App Storeで4.6、Google Playでは4.3の評価を獲得しています(2023年12月時点)。高評価の要因は何だと思いますか?

島田律子(以下、島田):やはりお客さま視点を大切にしていることでしょうか。りそなグループアプリは、振込や公共料金の支払、日常のお金の管理まで、銀行にまつわるすべての機能をアプリ内で完結できる「フルバンキング機能」を備えています。非対面でできることが増えているからこそ、会えないお客さまのニーズをどう汲み取り、どうしたら“りそなファン”になっていただけるのか、常に頭を悩ませています。

酒井:会えない人にファンになってもらうって、難しいですよね。

島田:そうなんです。でも、お客さまは何かしらの理由があって弊社に口座を作ってくださっています。その気持ちが冷めないようにしたいですね。皆さんも一度はありませんか? 何かのアプリを「使いにくい」と感じ、それ以降、開いてすらいないということ。私たちもかなり敏感になっていて、ネガティブな意見も真摯に受け止め、改善に活かすようにしています。

 2022年4月にはアジャイル推進室を新設。IT企画部、DX企画部、カスタマーサクセス部、データサイエンス部などが同じ部屋で一体となって、アジャイル開発を実践しています。お客さまからよくいただくのは「タップ数が少なくて使いやすい」ということ。データサイエンス部が中心となって、ユーザーインタビューやアンケートなど、客観的な分析を続けています。

 それでもお客さまのニーズや困り事は、目まぐるしく変わっていきます。まずは1つの機能を素早く提供し、お客さまの反応が知りたい。細かく速くアップデートすることで、フィードバックをいただける機会も増える。自ずと改善項目も増え、「使っていただけるアプリ」になっていくのを実感しています。

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りそなホールディングス IT企画部 グループリーダー 島田律子さん

酒井:ニーズに応え続けるための、アジャイル開発なんですね。

島田:私たちは「金融サービス提供者」というよりも、「個人のお客さまをはじめとしたエンドユーザー向けアプリ提供者」だと自認しています。ですから、金融機関に限らずいろんなアプリを積極的に試し、UI/UXを研究しています。「金融サービスだから対応が遅くても仕方がない」なんて言ってはいられません。業界を超えたライバルと同じ目線でやっていきたい。もちろん、他の金融機関やFintech企業の皆さんもどんどん使いやすいアプリを提供されていますから、日々悶々としながらアプリ開発を進めています(笑)。

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りそなホールディングスが描く「金融デジタルプラットフォーム」の全体像

(引用:りそなホールディングス、エヌ・ティ・ティ・データ、日本アイ・ビー・エム 「合弁会社『FinBASE株式会社』の設立について」、2022年2月7日)

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“りそなショック”で多くの男性が退職 再建に動いた女性たち

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この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

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