サイバーセキュリティクラウドは2月5日、事業戦略発表会を開催。富士ソフトと「CloudFastener」における包括的業務提携に関する合意書を締結したと発表した。
2010年に設立したサイバーセキュリティクラウドは、Webセキュリティ領域に特化し、クラウド型WAF「攻撃遮断くん」などを展開している。同社は2025年に向けた成長戦略として、売上高50億円、海外売上比率10%を目指しており、新たに2023年10月からマネージドセキュリティサービス(以下、MSS)領域に参入。AWS環境向けのMSSとしてCloudFastenerを提供している。
同社 代表取締役社長 兼 CEOの小池敏弘氏は「当社は一貫して、Webサービス、Webアプリを作るお客様に対してやれることを広げている。特に、MSS市場は大きな可能性をもつ。グローバルで、WAFだけでは約8100億円市場ですが、脆弱性管理やMSSも足すと約6兆5100億円にもなる。それだけ困っている人がいるので、今後もいいものを提供していきたい」と話した。
続いてゲストとして、「@cosme」などを展開するアイスタイル 上級執行役員(テクノロジー統括)の近藤俊太郎氏が登壇。創業20年以上の同社は、持続可能な成長のためにシステムを見直し、古い技術負債を刷新する必要があったと述べた。特に、大規模イベント開催など、非連続な成長に対応するには、オンプレミスからクラウドに移行する必要があったと説明する。
同社は2021年にAWSへの移行を決断し、現在移行中だという。以前から「攻撃遮断くん」を導入していたが、AWSへの移行にともない、CloudFastenerの活用も決めた。両社は、2023年12月にサイバーセキュリティ領域で戦略的パートナーシップを締結し、互いの課題を補完し合うパートナーとして協業している。
さらに新たな取り組みとして、サイバーセキュリティと富士ソフトはCloudFastenerの共同開発を行うと発表した。富士ソフトグループは連結で約18,000人を抱えており、その技術力や開発力を活かすという。富士ソフトは、3大パブリッククラウドベンダーとパートナシップを結んでいることから、AWS環境に加えて、マルチクラウド対応も進めていくとしている。
同社 執行役員 ソリューション事業本部 副本部長の山本祥正氏は「1社で物事が完結することは少なくなってきている。強みを互いに活かすことが重要。サイバーセキュリティクラウドはサービス化することに知見を持っている。当社は開発力と、50年以上の経験があるので、それらを共有して、グローバルに展開していけたら」とコメントした。
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