MCデジタル・リアルティは3月6日、千葉県印西市のNRTキャンパスに、国内8棟目となる「NRT12データセンター(以下、NRT12)」を開業した。同日、オープニングイベントと内覧会が行われた。
MCデジタル・リアルティは2017年9月に、三菱商事と、米国Digital Realtyによる合弁会社として設立。三菱商事の不動産・インフラ投資知見、顧客網と、Digital Realtyのグローバルなデータセンタープラットフォームとデータセンター開発・運用知見をもとに、データセンターサービスを国内で提供している。NRTキャンパスのほか、KIXキャンパス(大阪府茨木市・箕面市)、三鷹データセンター(東京都三鷹市)の3ヵ所で、計8棟のデータセンターを運用中だ。
NRTキャンパスのサーバー用電源容量は、2021年開業のNRT10データセンター(以下、NRT10)と合わせて73MW(メガワット)に拡大。首都圏における拡張性、柔軟性、AIインフラを備えたデータセンターへの需要増大に対応する。
NRT12は、既存のNRT10とKIX13データセンター(大阪府箕面市)同様、GPUサーバーの稼働に適したファシリティを備えているという。デジタル・リアルティが提供するラックあたり最高70kWの高密度コロケーションサービスや、冷却技術「Air-Assisted Liquid Cooling(AALC)」に準拠した設計により、高負荷なAIワークロードをはじめ、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、機械学習、仮想・拡張現実の需要に対応可能だとしている。
NRTキャンパス内にあるデータセンターは、相互接続サービス「キャンパスコネクト」によって接続されているため、キャンパスの複数のデータセンター内のラックを一つのデータセンターのように利用することが可能。さらに、NRT12の設計においてはモジュール性を重視しており、AI導入の拡大など、顧客の要件に応じてサーバー環境を動的に構築・拡張することもできる。
MCデジタル・リアルティ 代表取締役社長の畠山孝成氏は次のようにコメントした。
「(弊社は)設立以降、サーバー用電源容量にすると30%以上の年平均成長を遂げてきました。NRT12の完成によって、弊社が運用するデータセンターの規模は168MWになります。今後も継続した開発投資を計画しており、むこう数年以内には250MW以上に成長させていく所存です。(中略)当社はこれからも、印西で強固な事業基盤を守りながら、地域経済圏の発展のみならず、日本のデータセンター事業の繁栄を推進してまいります」
NRT12概要
- 所在地:千葉県印西市NRTキャンパス内
- 延床面積:27,571㎡
- サーバー用電源容量:34MW
- 収容可能ラック数:約4,000ラック
- 建物構造:地上6階、免震構造
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