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日進月歩で進むAI技術の統制は「アジャイル」に──“民”と“官”のハブとなるAIガバナンス協会の挑戦

設立から9ヵ月で60社が参画、今後は策定したポリシーの実行に重き

 生成AIの急速な普及を受けて世界各国でAI規制に関する議論が加速する中、民間事業者においても政策決定に積極的にコミットする動きが活発化してきた。2023年10月に発足した「AIガバナンス協会」もそうした目的の下に設立された団体の1つで、既に60社の企業が参加して様々な活動を展開しているという。発足の背景にあるAIガバナンスの動向や課題、同協会での活動の成果などについて、同協会の理事に話を聞いた。

AIガバナンスにおける民間と政府の橋渡しを担う

 自然言語で簡単に指示を与えることができ、かつ高精度なアウトプットが得られる生成AIの登場で、AIはかつてないほど身近な存在となった。その一方で、今日の「AIブーム」の熱狂ぶりとぴたりと並走するように、AIの技術的特性や悪用によって生じる「AIリスク」の問題も急速にクローズアップされつつある。

 この問題は専門家の間ではかなり前から指摘されており、法規制についての議論も始まっていた。そのような中、ChatGPTの登場で生成AIが世界中で急速に普及し、社会に大きな影響を与えるようになったことで、AIリスクを管理するための「AIガバナンス」の議論が世界中で行われている。

 早くから議論を深めてきたEUでは、リスクの高いAIシステムの開発や利用に規制を設ける「AI法(AI Act)」が欧州議会で可決され、また米国でも各政府機関に対してAIガバナンスの指針を提示する大統領令が発令された。日本政府も、AIガバナンスに関する国際的な議論のイニシアティブを取ることに積極的な姿勢を打ち出しており、G7広島サミット2023ではAIガバナンスの国際的な枠組み作りを進める「広島AIプロセス」を採択している。

 一方民間事業者においても、こうした当局の動きに呼応するように、企業を中心にAIガバナンスに関する議論が活発化しつつある。欧米はもとより、日本においても民間企業が主体となって、AIガバナンスの研究や情報交換を行う場が設けられるようになった。2023年10月に発足した「AIガバナンス協会」も、そうした団体の1つ。同協会の発起人であり、現在理事を務めるRobust Intelligence 共同創業者 大柴行人氏は、同協会発足の背景について次のように説明する。

 「Robust IntelligenceはAIのリスク管理のソリューションを提供する米国のスタートアップ企業で、日本でも事業を展開しています。その過程で多くのお客様から当局のAI規制への対応について聞かれることが多く、また一方で政治家の方からは民間が抱えている課題について教えてほしいといった話をよく聞きました。こうした課題は企業にとって非競争領域なので、皆で知見を持ち寄って政府側に産業界の声を届け、さらに政府側の反応を皆で共有する『官と民の間を結ぶハブ』が必要なのではないかと考えました」

AIガバナンス協会 理事
Robust Intelligence 共同創業者 大柴行人氏

 そこでRobust Intelligenceとパートナー関係にある東京海上ホールディングスやリクルートといった企業のキーパーソンに声を掛け、趣旨について賛同を得たことから、共同で同協会を立ち上げるに至ったという。

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ずっと同じルールでの運用は限界? 進化し続けるAIに適した統制法

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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