生成AI導入を容易にするNVIDIAとのコラボ
まずは、NVIDIAのエンタープライズAI担当副社長であるJustin Boitano氏とのセッションから紹介する。今回のイベントでNutanixとNVIDIAは、企業による生成AIの採用を容易にするための協業を発表した。これは「NVIDIA NIM推論マイクロサービス(NVIDIA NIM)」と、今回新たに発表された「Nutanix GPT-in-a-Box 2.0」が連携することで、ユーザーが大規模言語モデル、ML(機械学習)オペレーション、および生成AIに関連したアプリケーションを、企業の核となるシステム「コア」から企業のリモート拠点や製造拠点などの「エッジ」、そして「クラウド」まで展開可能になるというものだ。
Maner氏は企業でのAI活用状況について、安全性や持続可能性、セキュリティ、プライバシーなどの課題があることを指摘し、特にエンタープライズ視点での意見を求めた。これに対しBoitano氏は「ChatGPTをはじめとする生成AIは非常に革新的ですが、エンタープライズのデータと接続されない限り役立ちません」と指摘。
NVIDIAは、アプリケーション開発者の作業を容易にするAPIの提供に大きなチャンスがあると認識し、クラウドネイティブなマイクロサービスのコレクションであるNVIDIA NIMを提供している。モデルビルダーと協力してモデルの性能を最適化し、またオープンソースを安全かつ非常にシンプルに利用できるマイクロサービスを提供することで、様々な環境で運用できるようにしているのだ。
Maner氏がエンタープライズにおける成功事例について聞くと、Boitano氏は「企業が運用しているアプリケーションは数百にも及びます。生成AIの導入は、ユーザーをサポートするためのエージェントやコーディング補助などのシンプルなものから始まり、あらゆる産業のあらゆる業務を加速させているのです。重要なのは、どの領域から始めるかではなく、まずこの“ジャーニー”を始めてみることです」と語った。
続いてManer氏は、NutanixがNVIDIAやCitrix、Ciscoなどのパートナーから様々な学びを得ていることを伝え、パートナーシップの重要性を唱えた。これに対してBoitano氏は、NVIDIAも多様な企業と協力し、高いパフォーマンスを発揮するアクセラレーションを提供していると説明。さらに、多数の開発者やスタートアップ企業と連携するなど、大規模なエコシステムを構築していることを強調した。
最後にManer氏は、Nutanixがパートナーとともに顧客に最適な成果をもたらす方法を提供しているとし、顧客が進むべき次の一歩についてBoitano氏にアドバイスを求めた。
「NVIDIA NIMにはLlama 3など最先端のAIモデルが備わっており、APIキーを作成してアプリケーションに組み込むことが可能です。さらに、Nutanix Cloud Platformにエクスポートすることで、データのプライバシーとセキュリティを保ちながら、どの環境でもAIモデルを利用することができます。こうした機能を使えば、皆さんもAIを非常に簡単に使い始められるはずです」(Boitano氏)