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週刊DBオンライン 谷川耕一

ソフトバンク子会社「Gen-AX」設立の狙い CEO砂金氏が描く、“AIファーストの業務変革”とは

グループのシナジーを発揮し、2024年度中の商用サービス展開へ

 ソフトバンクは、生成AIを活用したビジネス向けSaaSの開発と提供、生成AIによる業務改革支援コンサルティングサービスを提供する100%子会社「Gen-AX(ジェナックス)株式会社」を設立し、2024年度中の商用サービスの展開を目指すと発表した。なぜソフトバンクは、このタイミングでGen-AXを設立したのか、これによりどこに向かうのだろうか。

ソフトバンクが「Gen-AX」設立、その目的は

 Gen-AXの代表取締役社長 CEOに就任したのは、砂金信一郎氏。同氏は、日本オラクルや日本マイクロソフトなどに在籍後、旧LINEのAIカンパニーではCEOとして、AI技術の社会実装を推進してきた人物だ。

 現在、多くの企業がChatGPTのような生成AIの活用を進めており、従業員の生産性向上などは実現しつつある。その一方、「本格的な業務改革を実現しようとすれば難しく、(生成AIだからと)手離れが良い、都合の良い話ばかりではありません」と砂金氏は指摘した。

 そこでGen-AXが狙うのは、生成AIを業務改革などに活かすためのSaaSプロダクトの提供だ。カスタマーサポート領域を中心に、自律思考型エージェントを活用したコンタクトセンター自動応対ツール、社内問い合わせ効率化システムなどの業務支援アプリケーションなどの構築を想定しており、あわせて生成AIの活用における内製化支援コンサルティングサービスも視野に入れて準備をしている段階だという。

 とはいえ、既に世の中には、生成AIを核とした製品・サービスが乱立している。それらを使いこなすためのコンサルティングサービス、あるいは大手コンサルティング企業やSIerなども戦略策定からサポートするような状況だ。生成AIやAI活用支援を専業とするベンダーも出てきている中、ソフトバンクとしてGen-AXを立ち上げたのはなぜか、どこに優位性を見出したのだろうか。

 実は、ヤフーやLINEなどが経営統合したタイミングで、ソフトバンクとLINEにおいて、AI分野における協業についてさまざまな議論がされていた。そのため、ソフトバンクにGen-AXのようなAI活用を支援する組織体を設けることは、自然な流れだったと砂金氏。その上で「ソフトバンクは今、“AIの中心”に位置しています」とも話す。

 また、ソフトバンクの親会社であるソフトバンクグループでは、AIを「情報革命の中心」と捉え、人類の未来を豊かにする重要なテクノロジーに位置づけている。実際、AI処理に特化したチップ設計、AI技術を見据えた研究開発にも取り組むArmホールディングスへの大規模投資はもちろん、ヘルスケア領域ではTempusと合弁会社を設立するなど、その存在感は大きい。

 2023年3月には、ソフトバンクの子会社として、日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)の研究開発とサービス提供を行う、SB Intuitionsを立ち上げた。つまり、Gen-AXはGPT-4oやGeminiなど汎用的なLLMに加えて、グループ内の国産LLMを活用することもできるなど、より高度な業務変革を支援するための環境が整っている。

 汎用的なLLMをチューニングして提供するだけでは、業務効率化につながりにくいとして「SaaSのプロダクトを作るだけでない、手離れが悪いとしても一歩踏み込み、顧客企業と一緒に取り組んでいくのがGen-AXです」と砂金氏。顧客の課題解決に最適なLLMを選定・実装していく。将来的には、ソフトバンクグループのネットワークを活かし、AI関連企業との連携も実現するだろう。

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AI活用の理想と現実、ギャップをどう埋めていくべきか

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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