リバスタとアスエネは、建設業の脱炭素化支援に関する協議を進めていくため、業務提携に関する基本合意書を締結した。
2024年2月に開かれた金融庁の金融審議会において、上場企業を対象にCO2などの温暖化ガス排出量開示を義務づける方針が明らかにされ、大手企業を中心として脱炭素に向けた取り組みがさらに加速しているという。
両社は、建設業界が抱えるCO2排出量データ分析の課題や脱炭素化を支援するため、業務提携に関する基本合意書を締結した。
リバスタでは2024年4月より、建設業界に特化したCO2排出量の算出・可視化クラウドサービス「TansoMiru」の提供を開始。その第1弾として提供を行っている「TansoMiru管理」は、同社が提供する「e-reverse.com」や建設現場施工管理サービス「Buildee」のオプションサービスなどと連携が可能である。これにより業務負担をかけることなく、産業廃棄物の収集運搬や揚重機・機材の稼働にともなうCO2排出量データを建設現場単位で可視化し、一元管理できるという。
アスエネが提供する「ASUENE」は、企業を対象に、GHGプロトコルにおけるScope1-3のサプライチェーン全体のCO2排出量の見える化・削減・報告クラウドサービスとSXコンサルティングを行っている。SXとは、Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の略で、企業が持続可能性を重視した経営方針へと切り替える取り組みのこと。強みである脱炭素のワンストップソリューションにより、企業の脱炭素経営推進に向けた包括的なサービスを提供しているという。
両社は建設業のさらなる脱炭素化支援を目指し、次のような取り組みを検討する。
- クラウドサービス上でのデータ連携と、両社での提案:TansoMiru管理からASUENEにデータを連携することで、TansoMiru管理のデータをASUENEで統合し分析できる状態を目指す。さらに両社で連携することにより、顧客に対してCO2排出量削減などに向けた提案に取り組む
- 脱炭素コンサルティングなどでの連携:顧客から会社全体での規模でCO2排出量削減や国際イニシアチブ認定取得、ESG経営などに関するコンサルティングを要望された際に、リバスタからアスエネに連携し、アスエネが主導でサービスを提供することを検討する。一方で、建設現場単位でのCO2排出量削減に向けて、アスエネ支援のもと、リバスタ主導で脱炭素コンサルティングサービスの開発や提供を行うことを目指す
- その他脱炭素ソリューションの開発・提供:両社にて、カーボン・クレジット(CO2などの温室効果ガスの排出削減量・吸収量をクレジットとして発行し、売買可能にする仕組み)の領域で、建設業に特化したカーボン・クレジット売買サービスの提供やクレジット創出での連携を検討するなど、新たなソリューション提供の可能性を模索し、今後も協議・検討を進める
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