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「Copilot for Microsoft 365」を使いこなす

「Teams Copilot」の使い方──会議の業務効率が上がる“2つの機能”、その活用法を詳細解説

「Copilot for Microsoft 365」:Teams Copilot編

Teams Copilotでできること(機能概要)

 それでは、会議支援CopilotとTeamsチャット支援Copilotがそれぞれ何ができるのか、具体例を交えながら詳細に紹介します。

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会議支援Copilot

 会議支援Copilotは会議中と会議後、2つの場面で活用することができます。

 特筆すべきは、Copilotが生成する議事録の精度の高さです。議事録の作成は、新入社員の登竜門であることが多いため、先輩社員にレビューを受けると半分近くが赤ペンで修正されることも珍しくありません。その主な理由としては、議事録に書くべきことが書かれていない、書かなくて良いことが書かれている、表現が冗長、文脈を正しく理解できておらず記載が不適切などが挙げられます。

 一方、Copilotが作成する議事録は、端的かつ構造的にまとめられており、必要十分な情報を含む高品質なものです。その精度は手直しがほとんど必要ないレベルに達しており、会議の内容が正確に反映されています。このような高精度な議事録自動生成機能により、「新入社員の登竜門=議事録作成」という時代は終わりを告げたと言っても過言ではありません。

 では、前回のWord Copilot編で取り上げた、「香水のポップアップ企画」に関する会議を題材にして、具体的な活用イメージを確認していきましょう。

 前回、Word Copilotが考えてくれた「香水ポップアップ企画」では、「秋の男性用香水のポップアップの企画を考えてください」というプロンプトで企画書作成を依頼したところ、「秋風のノスタルジア」という20代から40代をターゲットに京都・祇園地域に出店することを勧めてくれました。今回、想定する会議では、この香水ポップアップ企画の開催可否を検討するとともに、チームメンバーのタスクを洗い出すことを目的としています。

※会議中の発言スクリプトは、記事冒頭サンプルファイル「会議スクリプト」を参照

会議中のCopilot

 誰かが会議に遅れてきた際、それまでの議論を遅刻してきた人のために、簡潔に再度説明することはよくあるかと思います。その時間は、初めから会議に参加していた人にとっては無駄な時間でしょう。そこで、遅刻してきた人がCopilotを活用することで、会議の流れを止めることなく、裏でCopilotにこれまでの会議の内容を聞くことができます。たとえば、「これまでの会議を要約する」とCopilotにお願いしてみたところ、それまでの会議の主要トピックを下図のようにまとめてくれました。トピックは時系列順に並んでおり、発言者や数値も正確です。会議に遅刻したとしても、多くの人の時間を奪うことなく、それまでの会議内容を簡単に把握することができますね。

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 また、会議の中では説明されず、他の人から質問も出なかった事項について、Copilotに提案してもらうことも可能です。たとえば、「フォローアップの質問を提案する」とお願いしてみると、下図のように4つも考えてくれました。どちらの案も、それまでの議論を踏まえた質問になっており、質問の対象者も的確です。これで検討漏れなく会議を終えることができそうですね。

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会議後のCopilot

 次に会議後の活用イメージを確認していきましょう。欠席した会議であなたのToDoが発生したため、いち早く取りかかりたく、経緯や補足情報を素早くキャッチアップしたい状況を想像してみてください。会議後は、Copilotが自動的に議事録(AIメモ)を作成してくれます。AIメモでは、会議の主要トピックが箇条書きで明確に整理され、各項目の具体的な内容や決定事項が簡潔に記載されています。さらに、フォローアップタスク(ToDo)も明確にリストアップされており、次のアクションが一目でわかるようになっています。このように、AIメモを読むことで欠席者でも会議の要点を漏らさず捉え、迅速に会議の内容や自身のタスクを理解できます。

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 また、特定の人に向けて、会議メモを作成することも可能です。Copilotとのチャット欄にて、「佐藤さん向けに特化した会議メモを作成してください」と依頼したところ、下図のように、佐藤さんに関する討議をした部分に絞った会議メモを作成してくれました。会議に欠席したとしても、自身に関連する内容を中心にまとめてもらうことで、タスクなどを容易に把握することができますね。

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 上記のように、会議支援Copilotが作成する議事録の精度は非常に高く、実務での有用性も非常に高いと言えるでしょう。

Teamsチャット(人同士のメッセージでのやり取り)支援Copilot

 Teamsチャット支援Copilotの説明に入る前に、「Teamsチャット」の意味について確認しておきましょう。「Teamsチャット」とは下図のように、複数人がテキストで会話ができるような場所のことを指します。それを踏まえた上で、Teamsチャット支援Copilotについて確認をしていきましょう。

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 Teamsチャット支援Copilotには2つの機能があります。

  1. チャット内容の理解:チャンネルやDMでのやり取りのサマリ
  2. チャット文章の編集:ユーザーが記載したチャット文/返信文の言い回し変更

 では、先ほどの会議後、参加者4人がTeamsチャットでやり取りした内容(ToDoの進捗状況確認)を具体例に、活用イメージを確認していきましょう。

※Teamsチャットのやり取りの内容は、記事冒頭サンプルファイル「チャットやり取り」を参照

チャット内容の理解

 「これまでのチャットを要約したうえで、次の会議のアジェンダを考えてください」とお願いしてみましょう。すると、会議後の議論の要約、次のアジェンダを下図のように提案してくれました。

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 また、他にも以下のようなことに取り組むこともできるでしょう。

  • チーム全体で共有された過去の情報をまとめ、プロジェクトの進捗や次のステップをスムーズに確認する
  • 重要な決定やアクションアイテムを簡単に抽出し、次のステップを明確にする
  • 共有されたリンクや資料を整理し、すぐに参照できるようにする
  • チーム内での議論の要点や異なる視点を把握し、意思決定に役立てる
  • 過去の一定期間内での重要なポイントを素早く抽出し、プロジェクトの総括を効率的に行う
チャット文章の編集

 続いて、チャット文章を編集するイメージを確認していきましょう。この機能では、ユーザーが作成したチャット文章の書き換えや調整が可能です。文章作成後、書き換えボタンをクリックしたところ、下図のようにより自然な文章に書き換えてくれました。

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 また、調整機能では、長さとトーン、ユーザー設定(プロンプトでの自由調整)の3つから方法を選択することが可能です。たとえば、トーンで「熱意がある」を選択したところ多少、熱狂的な文章に書き換えてくれました。ただし、Copilotがゼロから文章を作成することはありません。あくまでも既存の文章の調整に留まるため、この機能の有用性はやや限定的です。

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Teams Copilotの課題

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この記事の著者

中田 元樹(ナカタ ゲンキ)

教育業界からコンサルタント転身後、データ分析を強みとし、さまざまなプロジェクトで活躍。2018年に独立。筆者が代表を務める株式会社DIK&Companyはビジネスパーソンのデータ/情報を扱う力を高める研修を提供。最近ではCopilotをはじめとした生成AI研修を多くの企業に導入しており、社員...

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