概要(≒課題)まとめ
このように、Excel Copilotの現在の機能は、Excelの持つ機能のごく一部しかカバーできていません。プロンプト(指示文)を書いて、Excel Copilotが考えてから作業が完了するまでを待っている時間で、人間は作業を完了させられます。今はExcel Copilotのアップデートを待つよりも、皆さんのExcelのスキルを上げて、処理時間を短縮することに集中したほうが良いでしょう。
なお、1回のプロンプトでの指示で思い通りに意図が伝わらず、期待する作業を実施してくれない可能性あります。それはExcel Copilotの性能以外に、皆さんのプロンプト力とExcelへの理解度が影響してきます。Excelを活用する上で最低限必要な基本操作ができないユーザーにとっては、Excel Copilotに対して正確な指示を行うことができず、その恩恵を十分に受けられない可能性があるためです。
Excelの理解度
たとえば、「表の3行目と5行目を入れ替えて、それぞれの行の合計を出して」という指示を行いたい場合、「行」や「列」といったExcelの基本的な構造や「列の挿入」「SUM関数」などの機能・関数(Excelでできること)を理解していないと、そもそも何をしてほしいのかをExcel Copilotに正確に伝えることができません。
プロンプト力
また、複数の条件や処理を含む指示をする場合には、プロンプトが構造化されていないとExcel Copilotが適切な情報処理をできず、期待する成果を得ることが難しくなってしまいます。WordやPowerPointでは「この文章を箇条書きに変更して」「このスライドをもっと見やすくして」といった直感的な指示でも意図が通じやすいのに対し、Excelの場合は基本的な操作を理解したうえで、「何を」「どのように」処理したいのかを明確に指示する必要があります。
これは、Excelが行と列で構造化されたデータを扱うツールであり、データの処理方法などに関する正確な理解がないと、Excel Copilotに適切な指示を出すことができないためです。Wordなどの文書作成ツールとは異なり、Excelはより構造化されたデータを扱うため、前提条件として基本的な操作スキルがより重要になります。