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旭化成、生成AIで材料選別の作業時間を従来比40%に短縮へ 今後は非構造化データの解析などにも意欲

 2024年12月9日、旭化成は、材料の新規用途探索と製造現場の技術伝承において、生成AIの活用を開始したと発表した。

新規用途探索の自動化による競争力強化

 新規用途探索とは、既存の材料や新しく開発した材料について、新たな用途を見つけること。従来は、専門性を持つ従業員の調査・分析によって用途の候補を考案し、その中から有望なものに絞り込みを行っていたという。

 今回、専門人材と各事業領域が連携し、用途を自動抽出するAIと、その中から特に有望な用途候補を抽出する生成AIを開発。それにより、既に文献データから6,000以上の用途候補を考案したほか、ある材料では候補の選別にかかる時間を従来の約40%に短縮できたとしている。

 生成AIの活用により、専門家のアイデアと遜色のない用途候補を短時間で考案することや、より革新的な発想が可能になると同社は述べる。今後、材料化学や医療分野の新規用途探索で活用を進め、将来的には生成AIにより他社製品の技術分析を行うことで、協業先選定に活用することも視野に入れているという。

製造現場の技術伝承によるリスク低減

 製造現場では、事故や災害を防ぎ安全に設備を運用するために、作業前に想定されるリスクを洗い出して対策を図る「危険予知」の活動を行うが、熟練社員の高年齢化および退職により、ノウハウの継承が課題になっていたと同社は述べる。

 従来は個人の経験をもとにリスクを予知していたが、過去事例のデータを読み込ませた生成AIを活用することで、経験の浅い従業員でも抜け漏れなくリスクと対応策を洗い出し、安全性と効率性を高めることが可能に。同時に、技術伝承も加速できるようになったという。

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 今後は、作業前の危険予知に加え、画像・音声など工場の各センサーから取得した非構造化データを解析し、作業中の危険回避にも役立てていく予定だとしている。

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