3ステップで動く背景のバナーを作成
電通デジタルは画像での生成AIの活用を拡大し、Nova Reelで動画生成にも挑戦している。
電通デジタルにとって最初の動画生成AIを活用したのが、同社が共同開発をすることが多いというゴルフメディアのゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)だ。ブラックフライデーにあわせたバナー広告で、動的な背景をNova Reelで生成し、配信した。なんと、この作成工程はわずか3ステップだという。
既存のAIを使って静的な背景を作成した後、背景が動的に動くものを作成する。実際には、英語で「黒い背景に中央から金色の光が放射状に伸びる動画を作成してください」とプロンプトを指示。生成された動画を元のバナー要素にオーバーレイすると完成だ。時間にして約5分。「動画の生成は実に簡単」と山本氏は述べる。
では、その効果はどうだったのか。「効果測定の前から、背景が動くバナーのパフォーマンスが高いだろうと容易に想像できた」と山本氏が述べるように、パフォーマンスを示すクリックコンバージョンレート(CVR)は静的なバナーと比較して861%も高くなった。一方、コストを示す顧客獲得単価(CPA)は73%も少なかったというから驚きだ。
「静的な背景を動的に変えるというわずかな変更が、劇的な改善を生んだ」(山本氏)