生成AI導入成功のカギ:リーダーに求められるマインドセットと組織文化
リーダーにはスキルだけでなく、「初心者意識」を持ち続けるマインドセットも求められる、と舘野氏は指摘する。その上で、生成AI導入成功には「オープンで協力的な風土」が欠かせない。部門間連携や外部パートナーとの協力体制構築によって、多様な視点から議論し合う環境づくりが鍵となる。「AI導入の中で『自社らしさ』とは何かという問い直しや組織文化を再考すること」と述べ、生成AI活用によって生まれる新しい価値観や組織文化への影響にも触れた。
2025年の生成AIトレンド予測:エージェントAI、SLM、AIガバナンス
2025年、注目すべきトレンドとして舘野氏は、「エージェントAI」「Small Language Model(SLM)」「AIガバナンス」の3点を挙げた。まず「エージェントAI」については、自律的な意思決定とアクション実行能力によって、多岐にわたる業務自動化への可能性を広げる技術として期待されている。「たとえばマーケティングキャンペーン最適化やカスタマーサポート業務など、多様な分野で効果的」とその具体例について語った。
次に、小規模言語モデル(SLM)は、大規模モデルとは異なる用途特化型モデルとして効率性とコストパフォーマンス面で注目されている。「これまで大規模モデルでは対応できなかったニッチ分野にも対応可能になる」と述べ、中小企業でも利用ハードルが下がり、多様な活用シナリオが広がる可能性について指摘した。
最後に触れられた「AIガバナンス」は、規制強化への対応策として各企業でますます重要になるテーマだ。「2024年にはEU AI法施行開始など国際的規制枠組みも整備され、日本国内でも経済産業省と総務省によるガイドライン策定など動きがあった。企業には倫理面や透明性確保など包括的対策が求められる」と指摘し、この分野への早期対応準備の必要性について訴えた