“ちょうどいい距離”で孤独感を軽減? アプリの新機能とは
このような課題を抱える大人に向けて開発されたのが大人のやる気ペンだ。約2年前に「大人もしゅくだいやる気ペンを使っているかもしれない」という情報を掴んでからおよそ1年で製品レベルに落とし込み開発をスタート。そこから約1年をかけて製品化にこぎつけた。
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同製品はこども向けのしゅくだいやる気ペンをベースにしつつ、大人が使いやすい工夫が施されている。一番こだわったのは“超小型軽量”にした点だという。しゅくだいやる気ペンは鉛筆に取り付けるグリップのような形状をしており、重さは約19グラムで、取り付ける際にネジを締めるひと手間もあった。対して、大人のやる気ペンはワイヤレスイヤホン程度の大きさで、重さは半分以下の約8グラム。ワンタッチでどんなペンにも取り付けが可能だ。アタッチメントには加速度センサーが内蔵されており、LEDが10段階で光る点はしゅくだいやる気ペンの仕組みが踏襲されている。
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サイズや形状が大きく異なることが見て取れる
同製品のメインターゲットには、「資格取得を志して勉強し始めたが挫折しそうな人」を見据えていると中井氏。彼らが勉強する中でペンが動いた時間をデータで記録し、アプリに転送すると棒グラフやカレンダーの日付ベースで勉強時間が可視化される。アプリは現在無料で提供しているが、今後は有料版にて他のユーザーのデータが見られるような機能を搭載することも検討しているという。
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大きさや重さの他にしゅくだいやる気ペンと違う部分について、中井氏はアプリの機能を挙げる。しゅくだいやる気ペンのアプリでは、勉強時間によって溜められたやる気パワーは、自分だけの庭を作っていくためのアイテムと交換できる仕様だったが、大人のやる気ペンでは、アプリ内で自分の分身となるキャラクターのコスチュームなどと交換できるような仕様に変更されている。勉強すればするほど、アバターが変身していく仕掛けだ。
さらに、アプリ内では他のユーザーのプロフィールも見れるようになっている。勉強の目的や目指している資格の種類、勉強のコツなどをプロフィールに登録でき、ステージをクリアしていくごとに他ユーザー情報の見れる範囲が広がっていく仕組みだ。大人が一人で勉強する孤独感を減らすために“ちょうどよい距離”のコミュニティを形成できる機能として搭載されている。
「顔や名前がわかるSNSのようなつながりではなく、日本のどこかで自分と同じように学んでいる人たちの思いを少し垣間見れるような“ほどよい距離”を意識しました。他人に見られることがネガティブに働く人もいることを考慮しての工夫です。また、さぼっているとアプリ内のキャラクターが叱咤してくれることで、孤独感を減らすような機能も実装しています」(中井氏)