行動データから“勉強の成功パターン”を導き出す
なお、しゅくだいやる気ペンは1月29日よりクラウドファンディング「Makuake」で先行販売がスタートしている。2025年春の新生活シーズンに合わせて一般販売を行う見込みだ。販路はコクヨの直販サイトがメインとなる。
販路にECを選んだ背景には、ターゲットを見据えた導線づくりの重要性があると中井氏。「しゅくだいやる気ペンもそうですが、製品のストーリーがあまり分からないような状態で店舗においても手に取ってくれる人は少ないと見ています。この製品がどのようなことを目指しているかなど、ストーリーや価値を理解した上で買っていただく導線づくりが大切だと考えています」と話す。
今後、大人のやる気ペンユーザーが増えて行動データが蓄積された後には、それらを分析することで得られた示唆を新たなアプリの機能開発などに活用していく予定だという。大人のやる気ペンから取得できるデータには、アタッチメントの電源が入っている時間やその中でペンが動いた時間などの数値データに加え、プロフィール情報などテキストで入力するデータも含まれる。販売元であるコクヨでもこうしたデータを日々取得できるようになっているため、様々なデータ分析の可能性があると中井氏は期待を寄せる。
同社はしゅくだいやる気ペンから取得されたデータでも様々な分析を行っており、たとえば「母親が花丸を書いてくれる回数が多いこどもは、勉強の継続時間が長い傾向にある[2]」ことなどが分かっているという。「大人のやる気ペンでもこのような分析ができたら良いなと考えています」と中井氏。たとえば、勉強の継続率が高い人は何をやっているのか、入力された資格試験の合否結果から合格した人がどのくらい前から勉強を始めていたのかなど、勉強の成功パターンを掴むヒントを得られることが期待される。
「資格試験の勉強は持久走のようなものです。頑張る大人の皆さんに寄り添って長い旅を一緒に走れるような製品を作れたのではないかと思っています。人生100年時代、大人のやる気ペンで自分の可能性にわくわくする大人たちをもっと増やしていきたいです」(中井氏)
[2] 『しゅくだいやる気ペン・IoTデータから見た「ほめる」の効果』(2022年5月19日、コクヨ)を参照