2025年2月13日、デロイト トーマツ コンサルティングは、「AIインタビューエージェント」を開発したと発表した。
同アプリケーションは、自然な音声対話からデータの構造化、データ検索までを、複数のAI技術を用いてプログラム化しているという。事前に設定されたシナリオに沿ってAIが音声でインタビューを行い、聞き出した情報を構造的に整理。24時間、場所を選ばず一定の品質で人とAIの対話を通じた情報取得が可能になるとのことだ。
取得した情報は、グラフ型データと呼ばれるデータ構造で、データベースに格納されるという。グラフ型データとは、ノード(頂点)とエッジ(辺)によって構成され、データ間の複雑な関係性を表現するのに適したデータ構造のこと。情報を検索する際に自然言語で情報を取得することができ、また、データ構造をたどることで検索の精度が高まるとしている。
![](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/21437/21437-1.jpg)
主な機能は以下のとおり。
- 音声インタビュー:予め設定されたシナリオに基づいて音声AIがインタビューを行い、自然な形で人から情報を聞き出す(テキスト入力との併用も可)
- 会話ログ表示:人とAIの会話内容をリアルタイムにテキストで表示する
- グラフデータ表示:会話内容を大規模言語モデル(LLM)が分析し、グラフデータへ変換。画面上にビジュアル的に表示
- データ編集:AIに誤認識されてしまった内容を、ユーザーが画面上から直接修正する
- データ検索:グラフデータに対して音声で質問を投げかけることで、必要な情報を取得する(テキスト入力との併用も可)
- AIエージェント:ユーザーとの対話内容に応じて、インタビューを実施すべきか、グラフデータへの変換を実施すべきか、データ検索を実施すべきかを判断し、複数の処理を自動的に切り替える
![](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/21437/21437-2.jpg)
同社が提示するユースケースは以下のとおり。
- 人材スキル・実績の把握:社員に対して定期的にAIからインタビューを行うことで保有するスキルや経験した業務をデータ化し、適切な人材検索やアサインを可能とする
- 営業ノウハウの共有:優秀な営業社員のテクニックや姿勢等のノウハウを引き出し、ミドルレベルの社員のスキルを向上させる
- ベテランエンジニアの技能伝承:ベテランエンジニアの長年の経験やそれを通じて培った暗黙知を形式知化し、若手エンジニアに伝承することで、後継者を育成する
- 医療診断支援:専門医の診断プロセスや治療方法の選択ノウハウを形式知化し、他の医師の診断スキルを向上させる
【関連記事】
・神奈川県藤沢市、市民ポータルサイト 「ふじまど」Salesforceで構築 デロイト トーマツが支援
・デロイト トーマツがCAMELの全株式を取得 AIチャットボットで自治体・民間企業を支援へ
・デロイト トーマツ サイバーがストーンビートセキュリティを子会社化 インシデント対応サービスを強化へ