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企業を悩ます「ハイブリッドIT環境のモダナイゼーション」の難題 乗り越える方法論とは?

 オンプレミスとマルチクラウドを融合したハイブリッドIT環境は、多くの企業で普及する一方で運用の複雑性は増大の一途をたどっており、異なるシステム間の相互運用やパフォーマンス監視、障害対応など、様々な問題が顕在化している。小手先の対応ではこの課題を解決することができず、経営目標の達成に主眼を置いた戦略的なモダナイゼーションを実践する必要がある。この取り組みを推進していく上での基本となるのが、キンドリルが提唱している「Run and Transform」と呼ばれる方法論だ。

ハイブリッドIT環境の普及にともない顕在化する問題

 現在の企業では、オンプレミスで活用してきた既存システムに加え、様々なクラウドサービスの利用拡大が進んでいる。このいわゆる「ハイブリッドIT環境」の普及は運用の複雑化をもたらしているのが実情だ。

 なかでも多くの企業を悩ませているのがプラットフォームの乱立である。キンドリルジャパン ストラテジックサービス本部 コンサルティング&ソリューションデザイン事業部 Director Consult Partnerの條々しの氏は、「SaaSを含む様々な異なるクラウドサービスが部門ごとに導入され、管理やガバナンスが追いつかないといった課題が顕在化しています」と語る。

キンドリルジャパン株式会社 ストラテジックサービス本部

コンサルティング&ソリューションデザイン事業部 Director Consult Partner 條々しの氏

 こうしたハイブリッドIT環境のもとでは、システムに障害が起こった際の対処も後手を踏みがちだ。あちこちに散在したプラットフォームが複雑に連携しあっているため、問題の原因がどこにあるのか特定が困難で、影響が及ぶ範囲もわからない。必然的にダウンタイムが長引き、事業継続に深刻なリスクをもたらすことになってしまう。

 混乱が起こる背景には、ハイブリットIT環境の運用にあたる組織体制の問題も浮かび上がってくる。

 「障害がどこで起こっているのかを特定するためには、オンプレミスおよびクラウドのインフラ、アプリケーション、それらをつなぐネットワークまで、すべてのレイヤーをエンドツーエンドで可視化しなければなりませんが、その基本的な仕組みや体制が実現できていません。各レイヤーがそれぞれ縦割りのチームで運用されているため、有機的な連携がとれないのです。そもそも情報システム部門の人材が慢性的に不足しており、各レイヤーの運用チーム自体が成り立っていないケースも散見されます」(條々氏)

 一方、その間にもオンプレミスで運用しているレガシーシステムの老朽化もどんどん進んでいく。そこでクラウド移行を含めたモダナイズを検討することになるのだが、実際に着手した多くの企業が当初の想定を大幅に超えるコストや、プロジェクトの長期化といった問題に直面するのが現実だ。キンドリルによれば、「モダナイゼーションに取り組む企業の約70%がROI目標を達成できていない」という調査結果もある。

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Right Workload/Right Place/Right Paceに基づく戦略を策定

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ノーバジェット株式会社(ノーバジェットカブシキガイシャ)

2010年にIT系媒体出身者によって設立されたコンテンツ制作会社。 BtoB IT分野の記事コンテンツの取材・執筆・編集を得意領域とし、 さまざまなITベンダーや媒体社のコンテンツ制作を手掛ける。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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