米国時間2025年3月18日、Preferred Computational Chemistry(以下、PFCC)とENEOSは、NVIDIA ALCHEMIソフトウェアを活用した、AI駆動による化学品を含む新材料の探索・最適化を加速するための協業を発表した。
同協業では、データセンターのエネルギー効率向上に有効な潤滑油や液浸冷却液など、産業の効率やサステナビリティを改善する材料を戦略的な対象とする。新材料の探索には、AI技術を活用したPFCCの汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis」(マトランティス)を利用するとのことだ。シミュレーションに必要な計算ワークロードは、NVIDIAアクセラレーテッド コンピューティング上で実行。加えて、化学シミュレーション特有のワークロードの実行を加速するため、NVIDIA ALCHEMIのソフトウェアやツールを利用する予定だとしている。目標物性を達成する材料の探索に最適なAI技術の利用にあたっては、ENEOSの化学・材料関連のドメイン知識を活用するという。
同協業初期は、データセンター向けの潤滑油や液浸冷却液を注力分野とするが、長期的にはその他の新材料の開発効率化と市場導入時期の短縮を目指し、触媒やポリマーなど環境への影響が大きい諸材料も対象に含める予定とのことだ。
【関連記事】
・ENEOSが基幹システムを「RISE with SAP」に移行 本格稼働までを1年で実現
・ENEOS、デジタル戦略実現に向けてシステム基盤に「RISE with SAP」を採用
・マイクロソフト、国内データセンターの拡張を発表 日本のAI強化を目的とした約4400億円投資の一貫