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JCBが大規模基幹システム「JENIUS」を刷新中──新基盤構築にあたり重視した4つの視点とは

メインフレーム上の重要データをクラウド環境へ移行、その道筋を語る

新たに「EventBus/API提供基盤」を構築、重視した4つの視点

 JCBでは、「ビジネスアジリティの向上」「データ利活用の促進」「ITコストの最適化」という3つの重点課題に対し、基幹システムJENIUSのモダナイズを重点施策のひとつと位置づけた。そして現在、まさにその検討を行っている最中だ。

 施策の第一弾として、同社は全体のモダナイズに先駆けて「EventBus/API提供基盤」をリリース。その具体的な内容が、基幹システム開発部 開発Ⅰ主幹 西尾恒太氏によって語られた。本取り組みでは、先ほどあげた3つの主要テーマに対する策として「マルチプラットフォーム対応」「保有データのリアルタイム連携」「コンテナ活用による柔軟なスケーラビリティ確保」「開発プロセスの見直し」の4つが行われるという。詳細は以下のとおり。

マルチプラットフォーム対応

 従来のメインフレーム上で一元管理されていたデータ・機能を、セキュリティレベルや処理特性に応じて再配置する。その中核となるのが、システムにおけるデータの読み書き操作を分離する「CQRS(Command Query Responsibility Segregation)」デザインパターンの導入だ。このアプローチを用いて、参照系の機能を段階的にAWS環境へ移管するという。

 まずは社内情報システム向けの参照機能を第一フェーズとし、次に会員向けスマートフォンアプリからの参照機能を第二フェーズとしてリリース予定。この取り組みにより、数千TPS規模の参照系処理をメインフレームからオフロードするとのことだ。

 メインフレームは高い信頼性・可用性が求められる決済・基幹データ管理を引き続き担い、クラウド環境では柔軟性と拡張性を活かした運用を行うことで、コスト最適化と開発アジリティの向上を図る。

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保有データのリアルタイム連携

 アーキテクチャ選定に関しては、「JENIUSに影響を与えない」「準リアルタイムでの連携が可能」という2点の要件をベースに検討を実施した。その結果、同社はIBMの「IBM InfoSphere Data Replication」「IBM Consulting Digital Integration Hub(DIH)」を採用。オープンソースシステムであるConfluentの「Apache Kafka」と組み合わせ、JENIUSのデータをリアルタイムで活用できる仕組みをAWS上に構築した。

 これにより、JENIUSで保管しており活用の壁が高かったデータに関しても、クラウドネイティブな技術導入によってメッセージ・APIといった形でスピーディーに提供できる。

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 「メインフレームでは決済や夜間の重要成果物作成処理などが稼働しており、データ分析の用途に処理能力を割くことが困難でしたが、新基盤上でリソースの自由度が高まることで、生成AIを活用した自然言語でのデータ検索といったユースケースの実現も容易になると期待されます」(西尾氏)

コンテナ活用による柔軟なスケーラビリティの確保

 開発効率化、セキュリティ機能や保守サポート体制の観点から「Red Hat OpenShift」を採用。開発運用効率化の面では、開発チームがデプロイまでのプロセスを自動化することで作業時間の短縮と人的負担の軽減を実現し、迅速なサービス提供が可能となった。

 リソースの最適なスケーラビリティに関しては、オートスケーリング機能の活用により必要なタイミングで必要なリソースを柔軟に確保し、無駄のない運用を可能にしている。また、突発的なアクセスに対しても拡張性を強化し、クラウドの利点を最大限に活かせる構成となっている。

開発プロセスの見直し

 リリースから18年が経過し、従来の開発プロセスではビジネスサイドからの要請に対して迅速な対応を取ることが難しい場面も増えてきたため、新基盤上での開発ではCI/CDの導入を中心としたプロセス改革を進めた。「Red Hat OpenShift Pipelines」やGitOpsなどを活用し、コード開発からテスト、デプロイまでを自動化することで開発生産性向上を図っている。「このアプローチによって開発から運用までを統合し、開発工数の20〜30%削減を見込んでいる」と西尾氏。これにより、今後のモダナイゼーションを支える開発体制の迅速かつ安定的な進化も期待しているという。

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新基盤構築で浮き彫りになった組織の「縦割り」問題

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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