富士通は、Palantir Technologies Japanと、生成AIを業務に組み込むためのプラットフォーム「Palantir AIP」(Artificial Intelligence Platform:以下、Palantir AIP)に関するライセンス契約を8月5日に締結した。
同契約により富士通は、Palantir AIPを国内外の顧客に提供できるようになるとともに、「Fujitsu Uvance」のオファリングへ組み込んで提供できるようになるという。これにより同社は、顧客の業務における生成AIの実装や経営の意思決定の高度化を支援するとしている。
Palantir AIPは、Palantir Foundryとの連携により、企業内で収集したデータの分析および意思決定において生成AIの機能実装を実現するプラットフォーム。企業内のネットワークに任意の大規模言語モデル(LLM)を呼び出すことができるという。Palantir AIPの活用により、短期間で生成AIおよびAIエージェントを活用するシステム設計・開発が実施可能となり、サプライチェーンの最適化、業務フローの自動化、経営層の意思決定などにおける迅速化が可能になるとしている。
富士通は現在、Palantir Foundryのデータ統合・分析基盤に同社の業務知見を組み合わせ、サプライチェーンやエンジニアリングなどの領域における業務最適化を実現するオファリングを提供しているという。今後はこれにPalantir AIPを組み込み、生成AI・AIエージェントによるシナリオシミュレーション、要因分析、提案生成からアクション実行までを一体化して支援するとしている。また、「Takane」や「Fujitsu Kozuchi」など同社が展開するAIサービスとの連携により、日本語機能や業務特化機能を強化し、AIエージェントを顧客の業務へ実装するとのことだ。
富士通は同パートナーシップを通じて、2029年度末までに1億米国ドル規模の売上を目指すという。またPalantirは、Palantir AIP基盤の提供・継続的な機能強化を実施するとともに、富士通との共創によるユースケース拡大に向けた技術的支援を行うとしている。
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