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なぜMUFG、ソニー、セブン&アイはGoogleのAIを選んだのか?── Google Cloud幹部が語る日本企業との「共同のイノベーション」

Google Cloud Next Tokyo 2025 レポート/アンディ・ガットマンズ氏独占インタビュー

ガットマンズ氏が明かすAIエージェント戦略の核心

Google Cloud GM & VP、データクラウド アンディ・ガットマンズ氏

 基調講演後に実施したガットマンズ氏への独占インタビューでは、同氏がAIエージェントがもたらす価値について詳細な分析を示した。

 「AIがもたらす価値は、大きく2つのカテゴリーに分けられる。1つは、社内の業務プロセスを再設計し、従業員の生産性を向上させること。もう1つは、顧客へのサービス価値を高めることだ。重要なのは、AIは企業の生産性向上と収益増加の両方に貢献するという点である」とガットマンズ氏は語った。

 実際、Googleでは自社のカスタマーサポートやEコマース検索機能、大量データを扱うベクタープロセッシング分野でAIを活用し、顧客ターゲティングの精度向上と収益増加を実現していると説明した。

 AIエージェントという概念について、ガットマンズ氏は幅広い捉え方を示している。Googleでは主要なAIエージェントとして、データエンジニアリングエージェント、BigQueryノートブックの先進データエージェント、対話型分析エージェントなどを展開している。こうしたAIエージェントの機能群が、他社に対する優位性を生み出す要因だとアピールした。

 さらに今回発表されたGoogle独自の第7世代の推論特化型TPU「Ironwood」や、NVIDIA GB200や次世代Blackwell-Rubin GPUを搭載したサーバー群をいち早く市場に投入するなど、トレーニングや推論分野における長年の経験蓄積が、競合他社との決定的な差別化要因となっているのである。

 「GoogleがGeminiに関して他社よりも優位性を持つのは、TPUだけが唯一の要素ではない。Googleは2015年に『AIファーストの会社になる』と宣言し、生成AIが登場するずっと前から、AIの能力やインフラの構築に集中的な投資と経験を積んできた」とガットマンズ氏は持論を展開した。

 また、長年オープンソースに携わってきたガットマンズ氏は、AI時代におけるオープンソースの重要性も強調している。

 「AIエージェントをいかに構築し、異なるシステムやソフトウェアを連携させる『相互運用性』を可能にするかという点で、オープンスタンダードは非常に重要だ」と見解を示した。

日本の大企業が選択する理由は「共同のイノベーション」

 今回の登壇企業以外にも、Google Cloudを選択する日本企業の動きは加速している。象徴的な事例がトヨタ自動車だ。同社は製造現場向けの独自AIプラットフォーム上でモデルを活用し、実際の製造工程において年間2万時間以上という驚異的な工数削減を実現している。

 次世代モビリティの分野では、ソニー・ホンダモビリティが注目を集めている。2025年から納車開始予定の電気自動車「AFEELA」において、ADAS(先進運転支援システム)基盤モデルの研究開発にGoogle CloudのAIインフラを全面的に活用している。

 日本の大企業の中で、競合のクラウドからGoogle Cloudへの移行を決断する企業も出てきているという。こうした現状について、ガットマンズ氏はこう語る。

 「日本の大企業の中には、以前は他社のクラウドプロバイダーを使っていたところもある。しかし、AIとデータを扱う能力において、Googleが有力な立場にあることが認められてきたのだと思う。我々は、お客様と共同でイノベーションを起こすことを重視している。三菱UFJフィナンシャル・グループ様、セブン&アイ・ホールディングス様をはじめ、各業界のリーディングカンパニーとのパートナーシップを通じて、単なる技術提供を超えた新たな価値創造を実現している。金融、小売、製造業など、あらゆる業界でAIの活用が進んでおり、非常にエキサイティングなマーケットだと感じている」

 ガットマンズ氏が強調するように、現在は「世界がデータとAIによってリアルタイムで再構築されている」時代だ。この変化の波に乗り遅れることは、競争優位の喪失を意味する。だからこそ、各業界のリーディングカンパニーが相次いでGoogle Cloudのエコシステムに参画し、「共同のイノベーション」を通じて新たな価値創造に挑戦しているのだ。

 最後に、日本のビジネスリーダーへのメッセージとして、ガットマンズ氏は次のように締めくくった。

 「AIは今、企業のオペレーションの仕方、そして顧客へのサービス提供の仕方を根本から作り変える力を持っている。これは、ビジネスリーダーの皆さんにとって、非常に大きなチャンスの時だ。いかに社内の生産性を向上させ、従業員の能力を『スーパーチャージ』していくか。この大きなチャンスをぜひ掴んでいただきたい」

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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

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