
紙中心の業務が根強く残る不動産業界、創業50年を迎えたハウスメイトパートナーズは、2021年からイタンジとの協業によるデジタル変革を推進している。「申込受付くん」「内見予約くん」(現:ITANDI 賃貸管理)から始まった取り組みは現在66拠点に拡大し、一連の賃貸業務で30%の時間短縮を実現した。ハウスメイトパートナーズの梅津拓也氏は「不動産業界は伸びしろしかない」と語る。コロナ禍を契機に700人規模への導入を独自手法で成功させた企業の実践例と、そこから見える“不動産DX”の現実的アプローチを聞いた。
創業50年の老舗不動産会社が直面した「デジタル化」の必要性
賃貸管理を包括的に手がける老舗の管理会社として、オーナーと入居者の間に立ってサービスを提供するハウスメイトパートナーズ(以下、ハウスメイト)。グループ5社で入居から管理、退去までのワンストップサービスを提供している。1974年10月設立で昨年50周年を迎えた同社は現在、仲介店舗91店舗、管理支店45支店を全国展開し、管理戸数は25万9000戸を超えるまでの規模に成長した。
そうした同社のデジタル化が進展する契機となったのは、2020年のコロナ禍だ。これまで事業成長とあわせて、紙媒体やWeb上での出稿をはじめとする、さまざまな施策を講じてきた一方、中核業務である「仲介業務」のデジタル化はあまり進んでこなかった。

業務推進室長として、仲介業務のデジタル化を牽引する梅津拓也氏は、「オーナー様はもちろん、入居者様からも同様に『コロナの影響で対面は避けたい』という反応が返ってくるような状況でした。外出制限によって対面での業務継続が困難となり、『これは迷っている場合ではない、やるしかない』とデジタル化に踏み出しました」と当時を振り返る。
この記事は参考になりましたか?
- EnterpriseZine Press連載記事一覧
-
- 創業50年を迎えたハウスメイトは「賃貸業務を30%圧縮」──紙が残る不動産業界でのデジタル...
- データ分析とコストのジレンマに終止符──「諦めたログ」も活かすSplunk×Amazon...
- 三菱電機が挑むAI時代の事業創造手法:「匠Method」×「Miro」×生成AIの実践レポ...
- この記事の著者
-
森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア