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パナソニックの“データ民主化”基盤「DIYA」で分析者と専門家が協働できる環境を整備

Databricksで効率的なロジック改善と知見蓄積を実現

 パナソニックグループは、DXの取り組みでデジタル技術を活用し、業務プロセスやカルチャーの変革を推進している。そのために現場でのデータ活用を促進するセルフ分析プラットフォーム「DIYA」を提供。DIYAでは、Databricksを活用しデータ活用レベルの向上を図りAIやデータ分析の民主化を進めている。パナソニックグループはDatabricksの共用環境をどのように構築しているのか。具体的な活用事例、機能の使いこなしなど、製造業におけるDatabricks活用の状況が紹介された。

データの山から“ダイヤ”の原石を見つけ出す

 家電から住宅、車載、データセンター向け蓄電池まで、幅広い事業を展開するパナソニックグループ。提供する製品を通じ、より良い暮らし、社会を作ろうとしている。創業100年を超え、同社にはレガシーと呼ばれるようなものもたくさんある。それらに対し「Panasonic Transformation(以下、PX)」と呼ぶDXの取り組みで、経営基盤強化を図っている。

 PXは「カルチャーの変革を土台に、オペレーションの変革、ITの変革という3階層で取り組んでいます」と言うのは、パナソニック インフォメーションシステムズ データ&アナリティクスソリューション本部 アナリティクスソリューション事業部 データサイエンス担当主幹の小泉京平氏だ。PXは、以下7つの原則に基づいている。

  1. グループの重要な経営資源であるデータを、ステークホルダーの「幸せの、チカラに。」つなぐ
  2. 経営者がデータの利活用と業務プロセスに責任を持つ
  3. 「お客様を誰よりも理解する会社」になるために、顧客接点の多様性を活かし、データを徹底利活用する
  4. 業務プロセスを絶えず進化させ競争力の源泉とする
  5. システム化の前に、現場の業務プロセスの現状を把握し、標準化の範囲を明確にする
  6. 標準化の定義を明確にし、経営者がコミットする
  7. 現場も含めたグループ内で、データ・テクノロジーを利活用できる人材を増やし支援する

 これらの原則について、小泉氏は「至るところにデータが入っています」と指摘し、データ活用の重要性を強調する。

 グループへのITソリューション推進の立場にあるのがパナソニック インフォメーションシステムズで、中でも小泉氏が所属する組織はデータ分析やデータ活用基盤を提供。グループ内で培ったノウハウは、パナソニックグループだけでなく外部にITソリューションとしても提供する。

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パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 データ&アナリティクスソリューション本部
アナリティクスソリューション事業部 データサイエンス担当主幹 小泉京平氏

 グループ全体の現場がデータドリブンを実現するために、パナソニック インフォメーションシステムズで整備しているのが、セルフサービス型データ分析プラットフォーム「DIYA」だ。DIYAとは「Do-It Yourself Analytics」の頭文字をとったもので、コンセプトは「データの山から、事業をさらに輝かせる“ダイヤモンドの原石”を見つけ出す」というもの。DIYAによりパナソニックグループの現場実務者が、主体的、スピーディーに、そして自在にデータ分析ができるようにする。

 業務システムやデータ事業部門などが独自に所有するデータを統合して分析できる環境を準備し、専門家だけでなくビジネス部門担当者も分析できるようにする。DIYAはデータ分析の民主化を実現する環境であり、それを使うための教育や参考となる事例の集積、共有まで行う。

 データから過去、もしくは現在何が起きているかを明らかにし、それがなぜ起きたかを見える化する。そこから何が起きるか、何をすべきかを予測し、次なるアクションの意思決定を行う。

 DIYAは、リアクティブ領域とプロアクティブ領域の2つに分けて推進されている。リアクティブ領域では、Power BIなどのBIツールを中心に、過去のデータ分析や現状把握を支援する。一方、プロアクティブ領域では、Databricksなどのツールを用いて、マシンラーニングやAIによる予測分析や将来予測を行う。

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 DIYAは、データ分析環境だけでなく、分析できるようにするための教育や実際の分析に伴走して支援するサービスもある。それらでデータ分析をグループ内で確実に定着させ、現場の幅広いメンバーが使えるようにしているのだ。

 製造業としてセキュリティを重視しており、グループ全体で安心して利用できるよう、IaC(Infrastructure as Code)による厳格なコードによる構成管理を行っている。申し込み部門ごとにワークスペースを払い出し、利用者はそれを使って分析に専念できるようにしている。

 AIや分析技術は日進月歩であるため、常に最新技術に対応できるよう、効率的な利用方法の指導やトラブルシューティングなどの技術サポートをする。さらに社内コミュニティを立ち上げ、コミュニティ活動を通じた利用者のスキルアップの取り組みも行われている。これらは日本で始めて、今後は海外にも展開する予定だ。

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 「グループ全体のデータ、AIの民主化に向け、Databricksを通じて分析スキルを高めるために、データのパイプライン作成やAIコーディングができるところから準備しています」と小泉氏。またコーディングスキルがなくても使えるように、ダッシュボードによる分析やBIツールの整備も行っているが、さらにDatabricksのAI/BI Genieのような自然言語による分析で、誰もが利用可能な環境も整備してさらなるデータ・AIの民主化にも取り組む。

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Databricks導入でアドホック分析の利用を促進

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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