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ローマ市長も登壇、NTTデータとローマが共同開発したバーチャルAIアシスタント「Julia」とは?

 NTTデータは2025年9月12日、イタリアのローマで導入されたAIバーチャルアシスタント「Julia(ジュリア)」に関する説明会を、駐日イタリア大使館で開催した。説明会には現職のローマ市長も訪れた。

ローマ市長 ロベルト・グアルティエーリ(Roberto Gualtieri)氏
ローマ市長
ロベルト・グアルティエーリ(Roberto Gualtieri)氏

 ローマと東京は、2026年の7月に友好都市の協定締結から30周年を迎える。それに向けて、説明会が行われた期間中にローマ市長のロベルト・グアルティエーリ氏が東京を訪れており、説明会の前には東京都庁で小池百合子 都知事との会談なども行われた。

 ローマではここ数年、観光客数が大幅に増加しており、交通をはじめとするインフラの改革、利便性向上などを目的とした大規模な都市開発事業が進んでいる。再開発が終われば、これまでローマを訪れたことがある人でも、新たなルートや発見を通じた新鮮な体験ができるようになるとのことだ。

 「古代からの長い歴史と、その中で築かれてきた建築、芸術など、ローマには世界に誇る数多の遺産があります。そうした過去の遺産を、より価値の高いものにするためのプロジェクトをいくつも推進しているところです。“Roma di prossima generazione(次世代のローマ)”を作るために、総額170億ユーロを投じて都市開発を進めています。今回発表する取り組みも、その一環となります」(グアルティエーリ氏)

 多くの日本企業も関わっている。市内の地下鉄車両の製造は昨年、日立製作所が受注した。また、廃棄物からの電力発電などといった分野でもいくつかの日本企業がエネルギー関連技術を提供している。そして、日本を代表する自動車、製薬、化学、電子などの大手メーカー複数社とも協業しており、ローマ市内にそのための研究施設も設立された。

 NTTデータとの協業によって2025年3月に商用利用が開始されたJuliaは、「ヨーロッパの都市で初めて導入されたバーチャルアシスタントだ」とNTT DATA Italiaの岡本健志氏は説明する。プロダクトの開発にはローマとNTTデータのほか、Microsoftも関わっている。

NTT DATA Italia Head of Global Business Enablement 岡本健志氏
NTT DATA Italia Head of Global Business Enablement
岡本健志氏

 Juliaの主なユーザーとなるのは、ローマに住む市民と、同市を訪れる観光客だ。日々変わる道路や地下鉄などの交通情報のほか、最寄りの病院の待ち時間、給水所や水道など、リアルタイムのインフラ情報をユーザーに提供するという。AIアシスタントとのチャット形式のUIになっており、音声によるAIへの質問も可能だ。7月には2.0へのバージョンアップが行われたことで、ユーザーがAIとの対話の中で話した観光ルートの条件や好み、体調などの様々な情報を7日間記憶できるようになった。これにより、AIとの対話で細かい条件を逐一伝える必要がなくなり、より洗練された情報を簡単に提供できるようになったとのことだ。

旅行代理店でのツアーの企画や旅行のカスタマイズにも活用できるという。
旅行代理店でのツアーの企画や旅行のカスタマイズにも活用できるという。

 AIモデルにはGPT-4.1モデルが利用されており、垂直型のマルチエージェントアーキテクチャとなっている。①ロケーション、②交通機関、③イベントの分野を担う3つの専門エージェントがおり、それらが生成する情報を統括エージェント「Julietta(ジュリエッタ)」がまとめて、ユーザーに最適な形で提供する。

Juliaのアーキテクチャ
Juliaのアーキテクチャ

 先述の通り、ユーザーとの対話内容を7日間記憶しているため、使っていく中でAIがどんどん高度化していく点が特徴だ。また、営利目的のプロダクトではないため商業的なバイアスがかからない点、そしてローマ市が認可したデータ・事業者の情報のみがAIに取り込まれるため、高い信頼性を担保できる点が強調された。日本語を含む80以上の言語に対応しており、FacebookのMessengerやWhatsApp、Telegramを介して利用できる。現在、日本のユーザーのためにLINEへの対応を実現すべく“勉強中”だという。

インフラなど公共の情報はローマ市の公認データしか取り込まないほか、民間のレストランやショップなどといった事業者も、市の認可を得てAPI連携をしなければJuliaで情報が流れることはない。これにより、観光客が法外な値段をとられたり、詐欺サイトなどに流されたりする被害を防止することもできる
インフラなど公共の情報はローマ市の公認データしか取り込まないほか、民間のレストランやショップなどといった事業者も、市の認可を得てAPI連携をしなければJuliaで情報が流れることはない。これにより、観光客が法外な値段をとられたり、詐欺サイトなどに流されたりする被害を防止することもできる

 来年には、Juliaを(独立する)アプリケーションへと進化させ、アプリ内で行政サービスなどもデジタル化して素早く提供できるようにするほか、ユーザーから情報をわざわざ取りに行くことなくJulia側からリアルタイムで通知を行い、情報提供できる環境を整えたいと展望を話すグアルティエーリ市長。「初めてローマを訪れる方も、リピーターも、機会があればぜひ使ってみてほしい」とメッセージを送った。

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この記事の著者

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

サイバーセキュリティ、AI、データ関連技術や、それらに関する国内外のルールメイキング動向を発信するほか、テクノロジーを活用した業務・ビジネスモデル変革に携わる方に向けた情報も追っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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