タニウムが発表した「自律型IT」と「止めないビジネス」のビジョン:McDonald's、ServiceNow、Best Buyなどが賛同
Tanium 「Converge 2025」現地レポート #01
生成AIによる「Tanium Ask」と「脅威ハンティング」などの新機能
「Unstoppable Business」実現に向けて、キーノートでは主に「新機能の実装」と「強力なパートナーシップ」という2つの取り組みが強調された。
新たに投入された「Tanium Ask」は、自然言語で問いかけるだけで、エンドポイントの現状把握から修正アクションの実行までを可能とする生成AI機能である。これにより、高度なスクリプトを書く知識がない担当者でも複雑な調査や対応が可能となり、「専門知識の民主化」が加速している。
また、特権アクセス管理「Tanium Jump Gate」や、高度な脅威ハンティングを支援する「Tanium HuntIQ」といった新機能も紹介された。これらは運用とセキュリティの垣根を取り払い、1つのエージェントで資産管理からセキュリティ監視までを完結できるタニウムの「統合プラットフォーム」の強みをさらに強化するものとなっている。
Microsoft、ServiceNowとの深化した統合
MicrosoftとServiceNowは、本来エンドポイント管理やセキュリティの競合にもなり得るが、タニウムはこの両社と強固なパートナーシップを築き、「競合」ではなく「補完関係」として戦略的連携を深め、自社プラットフォームの価値を高めている。
Microsoftのセキュリティソリューション担当VP、スティーヴ・ディスペンサ(Steve Dispensa)氏はビデオメッセージで、グローバル大手の不動産企業であるJLL(ジョーンズ・ラング・ラサール)事例を紹介。JLLは「Microsoft Defender for Endpoint」とタニウムの併用で検知力と修復力を補完し、年間500万ドルのコスト削減と20%の効率化を実現したと語った。Microsoft「Security Copilot」にタニウムのリアルタイムデータを供給することで、AIの回答精度も大幅に向上しているという。
ServiceNowのサンカ・ナグチョウドゥリー(Sankha Nagchoudhury)氏は「ゼロ・サービスデスク(問い合わせゼロのIT部門)」を掲げる。タニウムが端末異常(例:Teamsのクラッシュ)を検知すると、ServiceNowワークフローが自動起動し、ユーザーが気付く前に修復まで行う。この過程でタニウムは「神経系(感知と行動)」、ServiceNowは「脳(判断と管理)」の役割を担う。
ユーザーは、普段使い慣れたServiceNowやMicrosoftの環境から離れることなく、タニウムの強力な修復機能を利用可能となった。
数字が証明する「止めないビジネス」の価値
各社リーダーが語る導入効果は、タニウムのアプローチが単なる概念実証を越え、実利を生み出していることを証明する。
UKGのシニアディレクター、アダム・ザウリチニー(Adam Zauliczny)氏は、かつての「ノイズとカオス」に満ちていたリアクティブな運用からの脱却を果たし、インシデント管理の前年比47%削減を達成。「カオスはツールの自動化だけでは解決できなかった。まず複雑さ排除と標準化によって初めて自律運用が可能になった」と語り、ツール導入以前のプロセス改善の重要性も強調した。
また、世界最大のテクノロジーサービスプロバイダーTeleperformanceのランス・ブラウン(Lance Brown)氏は、50万台デバイス管理で「タニウム×ServiceNow」自動化を活用。Teamsのクラッシュも自動検知・修復し、ヘルプデスクのチケット起票自体を不要とする予防保守を実現している。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...
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