「今こそ経理が輝くチャンス」野村不動産HD 今川氏に訊く、社員への“強制力”で推進した経理DXの裏側
ガバナンス強化の視点から、強気の施策で業務プロセスを変革
ルールを作っただけでは意味がない。カギは社員への“強制力”
また、新システムを導入した後に起こりがちな課題として「システムを入れたものの、自社の業務プロセスと合わず利用が思うように進まない」という問題がある。実際、同社でも法人カード利用の促進や、ICCI登録の推進などを行ったが、ただルールを伝えるだけでは浸透しなかった。
そのため、同社では「ガバナンスの強化」という側面から、なかば強制的に活用を浸透させていったという。そもそも上記のような制度は、社員の利便性を高めることももちろんだが、前提として情報の改ざんを防ぐといった“社内のガバナンスを強化することも大きな目的”であるということを伝え、社員全員が行うべきものだという認識を植えつけていった。
その後、経理規程の下に位置する「ガイドライン」を制定し、社員に対して強制的に法人カードの利用やICCIの登録などを義務付けた。つまり、現場に対して「この方法に則らなければルール違反となる」と伝えられる一種の武器を手に入れたのだ。
そして、ルールを定めた後はそのルールが守られているかを徹底的に分析・可視化し公開していった。具体的には、法人カードの使用率やICカードの連携率などを部署ごとにランキング化し、全社員に公開。使用率や連携率などが低い部署には、レッド・イエローなどの色付けをして公開しているという。また、個人レベルで悪いデータが出ている社員に対しては注意喚起も行い、面(部署)と点(個人)へのアプローチを進めているとのことだ。
「ルールを作っただけでは、活用は浸透していきません。多くのエネルギーが必要で大変ではありますが、社員に対する“徹底的な注意喚起”が浸透のいちばんの近道でした」(今川氏)
この活動が実を結び、現在同社では法人カードのデータ連携率は90%を超え、電車・バスのICカードにおけるデータ連携率は約97%を達成しているという。特に、ICCIの活用においては野村不動産グループ約8,000名が応募できる「グループアワード」にて、2025年に部門賞を受賞した。
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