5月13日、ホスティング事業者向けに仮想化および自動化ソフトウェアを提供するパラレルス株式会社(以下、パラレルス)は、「クラウドビジネス成功の秘訣~Profit from the Cloud」をテーマに、都内のホテルでイベント「Parallels Japan Summit 2010」を開催した。
「Parallels Japan Summit 2010」は、クラウドビジネスに携わるサービスプロバイダ、ISV、およびベンダー向けに、クラウドビジネスの最新情報、最先端の仮想化技術、ビジネス展開のノウハウなどについて紹介するイベントだ。
最初の講演では、6月に社長に就任したばかりのパラレルス代表取締役 富田直美氏が登壇。「クラウドビジネスの最新情報と、成功事例のご紹介」と題した講演を行った。
富田氏は、「所有するITから、利用するITへ大きなパラダイムシフトが起こっている。10年後には、IT市場はクラウド化により再編され、世界のクラウド支出は2006年の15倍~20倍になるだろう。インフラ(IaaS)、プラットフォーム(PaaS)、ソフトウェア(SaaS)というように、すべてがサービスモデルに移行してきている。いまクラウドは大きなビジネスチャンス」と講演の冒頭で、まずクラウドビジネスの可能性を語る。
富田氏は、同社の強みとして「パラレルスでは、クラウドを10年も前から提供している。さらに、200万デスクトップの仮想化実績、30万サーバーでの利用実装実績があり、全世界で1000万のエンドユーザーがパラレルスの製品を利用している。仮想化サーバーは、100万以上のインスタンス、サービスプロバイダ向けの利用率は70~90%。仮想化プラットフォームの自動化、コントロールパネル、デスクトップの仮想化など、デスクトップからインフラまでカバーするエンドツーエンドのソリューションプロバイダとしては、我々が市場の№1リーダーである」と語り、同社がクラウドの真の実現者であることを強調する。
そんな同社が、今後いちばん成長するマーケットとして狙うのが、スモールビジネス(SMB)だという。中小企業では、IT利用のニーズは高いものの、大企業に比べると、様々なITサービスの恩恵を得ることができていないのが現状だ。しかし、クラウドを使えば、スモールビジネスの要求に合った様々なサービスを簡単で安くフレキシブルに提供することが可能だと、富田氏は指摘する。
また富田氏は、「スモールビジネスでの全世界のIT支出は全体の40%の51兆3000億円。パラレルスは、スモールビジネスにフォーカスをあて、これからのビジネスを展開していく。中小企業をターゲットとするサービスプロバイダにとっては、クラウドは絶好の機会」と意気込みをみせた。
また、同社製品の成功事例のゲストとして、GMOホスティング&セキュリティ株式会社と株式会社ライブドアの各担当者が登壇。同社の自動化ソリューションや仮想化ソリューションを導入した経緯や、クラウドに素早く対応できる導入のスピードやカスタマイズ性、世界標準のサービス、柔軟性などの導入メリットなどを紹介した。
その他にも、マイクロソフト、デル、IBM、Open Xchangeなどの講演や出展各社による製品展示なども行われ、イベントは盛況のうちに幕を閉じた。