エージェントAIの主要プレイヤーがコンテキストとヘッドレスで同じ方向へ
注目すべきは、この「コンテキスト」と「ヘッドレス」という方向が、Informaticaだけのものではないことだ。エンタープライズAIの主要プレイヤーが、ほぼ同時に近い地点を目指している。
Informaticaを買収したSalesforceは、すべての機能をAPI・ツール・コマンドとして開放し、エージェントが画面なしでプラットフォームを操作できる設計を打ち出した。InformaticaがコンテキストとヘッドレスをData戦略の核心に据えた背景には、Salesforce全体のなかで「信頼できるデータ管理レイヤー」としての役割を明確にした事情もうかがえる。
他社に目を向けると、SAPは、ナレッジグラフでエージェントにビジネス上の文脈を供給しつつ、UI面では「アプリを経由すること自体をなくす」という発想を掲げた。ヘッドレスがUIを取り外して能力をAPIで届けるのに対し、こちらはアプリそのものを前提から外す。表現は違うが、向かう先は近い。Oracleはデータベースをエージェントの制御点と位置づけ、調整・記憶・文脈保持の機能をデータベースに埋め込む立場をとる。
アプローチはそれぞれ異なるが、突き詰めると問いは共通している。エージェントに何を判断させ、その土台となるコンテキストをどこに置き、その能力をどう開発者やエージェントへ届けるか──。Informaticaの答えは、MDMとCDGCで信頼できるコンテキストを整え、ヘッドレス化でその能力をエージェントの手元へ開放するという二段構えだった。能力をエージェントに近づけるほど、その先にあるコンテキストの確かさが問われてくる。エージェントAIへの移行は、この2つの問いから始まる構図といえそうだ。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZine/AIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...
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