SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

  • Security Online
  • DB Online
  • 財務・会計Online
  • ニュース
  • 新着記事一覧
  • イベント

    情シス塾 第2回
    2026年7月10日(金)@翔泳社

    IT Strategy Summit 2026
    2026年7月16日(木)東京・JPタワーホール&カンファレンスで開催

  • 特集
    • 2025年のトップランナー35人が見据える今と未来 年末特別インタビュー presented by EnterpriseZine

      2025年のトップランナー35人が見据える今と未来 年末特別インタビュー presented by EnterpriseZine

    • Next エンタープライズAI

      Next エンタープライズAI

    • コミュニティ型勉強会「情シス塾」

      コミュニティ型勉強会「情シス塾」

    • IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

      IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

    • 待ったなし!「新リース会計基準」対応への一手

      待ったなし!「新リース会計基準」対応への一手

    • 酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

      酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

  • ブログ

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

情シス塾 第2回

2026年7月10日(金)@翔泳社

IT Strategy Summit 2026

2026年7月16日(木)東京・JPタワーホール&カンファレンスで開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2026年冬号(EnterpriseZine Press 2026 Winter)特集「AI時代こそ『攻めの経理・攻めのCFO』に転じる」

生成AI時代のデータガバナンス再設計

「AIガバナンス」の落とし穴 なぜ生成AIリスクは利用ルールをつくっても防げないのか?

【第3回】AIリスク管理の実装

「AIリスク」はユースケース単位で捉える、そのポイントは?

 AIリスク管理を実装する上で最初に押さえるべきは、リスクを“AIという技術全体”で語らないことである。同じモデルやツールを使っていても、どの業務に適用するかによって、リスクの性質が大きく変わるからだ。

 たとえば、社内会議のメモを要約する用途では、誤りがあっても外部への影響は生じにくい。一方、契約条件の解釈、顧客への正式回答、人事評価コメントの整理、品質不具合の原因整理などにAIを用いる場合、同程度の誤りでも業務上の影響は格段に大きくなる。つまり、AIリスクはモデル単体で決まるものではなく、「どのデータを用いて、どの業務で使い、どのような意思決定に結びつくか」で決まる。

 そのため、リスク評価の起点はツールではなくユースケースであるべきだ。具体的には、想定する活用テーマを業務単位に分解し、用途ごとに評価する必要がある。ここで重要なことは、生成AIの活用を「導入済み」「未導入」といった大きな粒度で見るのではなく、次のような単位まで分解することだ。

  • 会議メモの要約
  • 社内FAQの検索
  • 提案書の下書き
  • 顧客向けメールの文案作成
  • 契約レビューの補助
  • 人事評価コメントの支援
  • 品質異常報告の整理
  • 研究開発文書の検索支援

 これくらいの粒度まで分解することで、どの用途が低リスクなのか、どの用途が高リスクなのかを整理しやすくなる。逆に「生成AI利用」という一括りのままでは、活用促進も統制も中途半端になってしまう。

[画像クリックで拡大]

 データガバナンスの観点から見れば、これは従来の「データを一律に管理する」のではなく、「利用目的に応じて適切な統制をかける」という考え方に通じる。つまり、AIリスク管理の実装とは、ユースケース単位で統制粒度を設計しなおすことにほかならない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

リスク評価で最低限見るべき観点

 では、ユースケースごとに何を見てリスクを評価すべきか。実務では評価項目を増やしすぎると回らなくなるため、まずは「最低限の観点」に絞るとよい。筆者は少なくとも、次の5つを基本軸として置くことが有効だと考えている。

  1. 業務への影響度:誤回答や不適切な出力が生じた場合、業務や外部関係者へどれほどの影響が及ぶかを図るための観点。社内メモの誤要約と顧客説明資料の誤記載では、重みが違うためだ。法務や人事、財務、品質、安全などに関わる用途は、一般的に影響度合いを高く評価すべきである
  2. 扱うデータの機密性:入力するデータや参照させるデータが、どの程度センシティブかを見る。個人情報、契約条件、未公開財務情報、研究開発情報、設計情報などは、管理の厳しさが増す。ここでは既存の情報分類基準やデータ区分を流用し、AI用途だけを特別扱いしすぎないことが重要である
  3. 出力の利用範囲:AIの出力が社内補助にとどまるのか、対外文書や意思決定に使われるのかを見る。社内利用であっても、経営判断や人事評価に影響する場合は慎重な扱いが必要になる。どこまで使われるかによって、レビュー要件や承認要件は変わる
  4. 根拠確認の容易性:生成AIの出力が、どの資料に基づいているかを確認しやすいかどうかも重要である。参照元が限定され、出どころが明確な用途は管理しやすい。一方、複数資料を横断し、出どころがわかりにくい用途では、説明責任を果たしにくく、リスクは高くなる
  5. 人による補完可能性:誤りがあった場合に、人が気づきやすいか、最終確認で是正できるかを見る。文章の言い回し調整のように人が容易にチェックできるものと、専門知識がないと見抜きにくい契約解釈や品質判定では、統制設計が異なる
[画像クリックで拡大]

 これら5つの観点で見れば、すべてのユースケースを機械的に低・中・高リスクと分類しやすくなる。重要なことは、完璧な評価表を作ることではない。現場で説明できる単純な評価軸をもって、継続的に見直せることが実装の出発点になる。

次のページ
リスクに応じたコントロールをどう設計するのか

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
生成AI時代のデータガバナンス再設計連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小林 靖典(コバヤシ ヤスノリ)

ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社 ディレクター国内大手コンサルティングファームにて、データマネジメント・コンサルティングチームの立ち上げを主導。現在はショーリ・ストラテジー&コンサルティングにてデータ領域の専門チームを率い、データドリブン推進、AI導入支援、データマネジメント/データガバナンス領域のサービスを提供。データ領域のコンサルタントとして十数年以上にわたり、製造業(自動車、電機、機械、化学、食品)を中心に、小売業、通信サービス、金融・保険業、製薬...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/24479 2026/06/19 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング