データベース移行でもAIエージェントが活躍
ここで出てくる疑問が、AIはデータベース移行をどこまで簡素化してくれるようになったのかだ。
コードやスキーマの変換に限れば、Google Cloudでは以前から変換ツールDatabase Migration Service(DMS)を提供してきた。DMSを利用する場合、Conversion Workspaceでの変換に加えて、Gemini Assistanceが修正提案や最適化をサポートする二段構えで変換を行う。Geminiの存在感は大きくなったが移行プロジェクト全体から見ると、このツールを使う場面はごく一部に過ぎない。移行に成功し、システムが継続的改善のライフサイクルに入った後は、オンプレミス時代よりも高度な運用スキルが求められることになるだろう。
そこで期待されているのがDevOpsのアプローチに基づく、新しいエージェントである。ソフトウェア開発と同様に、データベースアーキテクチャの構築から運用に至るまで、Google Cloudでは5つのエージェントの提供を進めている。
1つ目はOnboarding agentである。移行要件を相談すると、Google Cloudのデータベース群から要件に最適なものを選定し、データベースの構築までを自動的に行ってくれる。そして、2つ目のObservability agentは、従来のデータベース管理者が複数のツールを使い分けて行っていた運用監視を置き換えるものになる。種類の異なるデータベースでも、稼働情報を見て、問題発生の予兆を知らせ、トラブルシューティングを支援してくれる。残る3つとして、アプリケーション構築時のSQLコードの記述を支援するCode assist agent、改修時のテストを支援するTesting agent、そして移行作業そのものを支援するMigration agentがある。
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5つのうち、最初の2つはプレビュー中、残り3つは今後提供される予定だ。この中では、Onboarding agentが、プロジェクト初期の要件定義から移行先のデータベース選定、そしてプロビジョニング(環境構築)に焦点を当てたものであることに注目したい。というのも、このフェーズは難易度が高く、手戻りも多いためだ。
AIエージェントがこの分野の簡素化を進めることに貢献すれば、リフト&シフトからモダナイゼーションへ、より積極的な移行方式の選択が可能になるだろう。今後の進化を期待したい。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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