AI時代の神経系「ネットワーク」、それを守る「セキュリティ」──2つの融合が企業生存の必須条件になる
三菱電機グループやトヨタ自動車が実践するAIセキュリティ/レジリエンス施策も明かされる
三菱電機グループは“Security for AI/AI for Security”を本格推進中
ここまで述べたようなフォーティネットが提唱するアプローチを、今まさに実践する2社のセキュリティリーダーが登壇した。まずは三菱電機デジタルイノベーションだ。同社は、三菱電機の社内IT部門およびセキュリティ部門と、グループ内のIT事業会社3社が統合して2025年4月に設立された。
セキュリティ事業を統括する手束裕司氏は、最初に三菱電機グループが直面するサイバー脅威について明かした。かつては1日当たり、多い日で約20万件の攻撃を検知・ブロックしていたが、現在は1日30万件を超える日もあると手束氏。そして三菱電機は、2020年に2度の大々的な不正侵入被害を受けた経験もある。
2021年、同社はセキュリティ強化に向けた5ヵ年プロジェクトを編成した。約500億円を投じ、端末監視から通信、クラウド認証に至るまでの多層防御を構築したのである。2026年3月にこのプロジェクトは終了し、現在は次のステップとしてAIセキュリティ対策への取り組みを開始しているという。
組織体制としては、CIO/CISOの直下に情報セキュリティ統括室を配置し、その下にCSIRT、PSIRT、FSIRTを擁する。また、各事業部にも情報セキュリティ責任者が配置されており、先ほど竹内氏が推奨したアジャイル・ガバナンスを実践している。本体である三菱電機との横串体制も出来上がっている。
かつては、各国・地域の拠点ごとに個別のセキュリティ/ガバナンス体制を敷いていたが、現在ではグローバルCISOを配置し、各拠点でもリージョナルCISOを任命することで、グローバル全体の統制を効かせる体制づくりを進めているとのことだ。また、2022年にはSOCの上位組織として「サイバーフュージョンセンター」を設立し、脅威分析や先制的な対処の能力を大幅に強化した。
三菱電機を本体とする製造業ならではの注力分野として、手束氏は外部向けに提供するOTセキュリティのフルマネージドサービスを紹介した。アセスメントからIT・OTの境界分離、通信の可視化、端末接続制御、持ち込み媒体対策、SOCによる監視までをトータルで提供している。このうち、境界分離にはフォーティネットの技術が活用されている。
Security for AI/AI for Securityの施策については、直近では以下3つを推進中とのことだ。
- アクティブサイバー防御:能動的なサイバー防御の体制構築に向け、脅威インテリジェンスやレッドチーミングを担う専門組織を新たに立ち上げた
- インシデント対応の自律化:AIによりインシデントレスポンスを自律化・効率化し、平均検知時間(MTTD)やMTTR(平均復旧時間)を劇的に短縮する
- AIエージェントによる資産・リスクの可視化と脆弱性対策:情報収集、検証、パッチ適用のプロセスでAIを活用し、自動でパッチを当てられる仕組みを開発・導入する。現在、このAIエージェントの開発を本格的に進めている
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、ソフトウェア/ハードウェアを問わず国内・海外の最新技術やルールメイキング動向を取材。そのほか、DX推進、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:フォーティネットジャパン合同会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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