DXが現場で進まない理由は「人の気持ちや意志のベクトルが揃っていないから」

DXが現場で進まない理由を問われた塩田氏は、変革プロジェクトの初期コストの約20%が現状の調査に使われているというデータを挙げ、自社のビジネスの構造もITの全体像も誰も把握していない実態を指摘した。
大西氏は、計画通りに線を引いても進まない理由を「人の気持ちや意志のベクトルが揃っていないから」と述べた。
意見が重なったのが、感情を書かせる作法だ。大西氏はユーザーストーリーに「〇〇できて嬉しい」を入れる効き目を挙げ、萩本氏も三菱電機のアーキテクト育成で長年そうしてきたと応じた。
「『嬉しい』と書いているうちに、本当に嬉しくなってくるんですね」(萩本氏)
AIに何が足りないのかという問いには、萩本氏が「AIには意志がありません」と答えた。大西氏は共感を「自分の立脚点を持ちながらも、相手に寄り添うこと」と定義し、今のAIは仕組みのうえでその立脚点を持たないと語った。
AI時代に人間は何をすべきか。萩本氏の答えは、映画監督のような立場になるべきだ、というものだった。AIというスタッフの出したものを採るか採らないか。それを決めるために、感じる力も筋道を立てる力も磨く必要があるとし、「知の領域は有限ですが、価値の領域は無限です」と語った。
締めくくりに、3氏が一言ずつメッセージを語った。
萩本氏は匠Methodを「自分を取り戻す」ための手法として作ってきたと振り返る。「AI時代だからこそ、さらに自分をしっかりと持たなければいけなくなる」
塩田氏は、技術で物を作るのではなく、技術で社会にどんな価値を作るのかに仕事の目線を置くべきだと語った。そこに立てば、多様な相手と共通の言葉で対話できるという。
大西氏が挙げたのはコミュニティだ。組織を越える人の緩いつながりが増えるほど頑丈なコミュニティができるという研究を紹介し、「これからも緩くつながっていただきたい」と結んだ。
※「PMI」「PMP」「PMBOK」「PMI-CPMAI」「DASSM」はProject Management Institute, Inc. の商標。「IIBA」「BABOK」は、International Institute of Business Analysisの登録商標。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZine/AIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...
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