ファイナンスに求められるのは「スピード」:意思決定をリアルタイムに近づけるSAPの“新EPM”
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2つのAIエージェントが“ビジネス機会の発見”から伴走
2027年第1四半期に提供開始を予定している「Enterprise Financial Consolidation」は、SAP Business Data Cloud(BDC)のコンポーネントを用いて構築したもので、制度連結と管理連結の2つの機能に決算と開示の機能を統合している。現在のファイナンス部門は、予算、実績、開示情報の照合(突合)に多くの時間を費やしているが、この機能統合で照合の手間を減らせるだけでなく、制度連結と管理連結の差異の説明が容易になる。
図1:Autonomous Financeのアップデート(出典:SAP)
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Enterprise Financial Consolidationは、「Financial Consolidation Assistant」と「Financial Disclosure Assistant」という2つの新しいAIエージェントを含んでいる。これらのAIエージェントが加わることで、ビジネス機会の発見から始まるプロセスはどう変わるのか。
図2:AIエージェントで拡張されたEPM(出典:SAP)
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たとえば、競合の辞退をきっかけに、あるイベント会社が大型イベントを引き受ける機会が発生したとする。CFOがJouleに実行リスクを尋ねると、人員不足の問題を指摘した上で、モデリングを実行し、3つのオプションを示してくれた。追加コストが発生するが、そのうちの1つを選択することに決めた。Financial Consolidation Assistantは、CFOがグループ全体への収益性インパクトを評価できるよう、オプションを実行した場合の連結決算処理を実行してくれる。さらに、CFOがJouleに依頼すると、Financial Disclosure Assistantは、グループへの財務的見通しや計画から得られたインサイトを文章にしてくれた。
プロアクティブな収益機会の検知から始まり、状況把握と行動計画の策定、経営リソースの最適化、業績管理、経営層への報告と開示に至るまでのプロセスがAIでつながる。意思決定のスピードを上げようと「制管一致(財管一致)」に取り組む企業は、制度会計と管理会計の数値を完全に一致させる代わりに、数値の整合性と差異の説明可能性を高める現実的なアプローチを採用することが多い。新しい2つのエージェントは、経営管理の高度化に取り組む企業の負担軽減に役立つものになりそうだ。
SAP Finance & Spend担当 General Manager 兼 CPOのローレンス・マーティン氏は、「私の考えでは、EPMの未来とは、変化を察知し、企業全体にわたって推論し、組織がより迅速に、より自信を持って行動できるプロセスを継続的に実行するシステムである。それがファイナンス部門の変革を支えるAutonomous Performance Managementのビジョン」と語っていた。Autonomous Performance Managementで、EPMは導入初日から計画、連結、開示、業績管理を統合したモダンな経営管理基盤に刷新された。
「SAP Pay」でB2B決済市場に参入
また、SAPは傘下のフィンテックスタートアップ「Tereina」のテクノロジーを活用した「SAP Pay」でB2B決済市場への参入も発表した。これはSAP Cloud ERPに直接組み込まれる決済サービスで、支払い期日が来ると、支払い処理の実行から消込みまでを自動的に実行してくれるもの。手作業に依存することの多い請求書処理の負担を大幅に減らすことができる。SAP Payは様々な通貨や支払方法に対応。まず、米国と英国から開始し、他国へと展開範囲を拡大していくという。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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