シスコ(Cisco)は、パートナープログラム、カスタマーエクスペリエンスサービス、製品・技術ポートフォリオ全体にわたる新たな施策の強化を発表した。
パートナーエコシステム
Cisco 360 パートナープログラムが初めての通年運用を迎えるにあたり、それぞれのパートナーに向けた専用の仕組みをプログラムに追加。また、あらゆるパートナータイプを対象としたプログラムエクスペリエンス、収益性、イネーブルメントの3つの領域にわたる機能強化により、AI時代におけるエコシステムの俊敏性を支えるとともに、すべてのパートナーの貢献を適切に評価すると述べている。
- Ecosystem Deal Registration:アドバイザーとデベロッパーが、商談成立につながる貢献に対し正式な評価を受けられる新たな仕組み
- 新たな成長機会の提供:アドバイザーとデベロッパーに向けたPartner Value Index(PVI)の提供を開始したほか、新たに統合されたディストリビューター向けPVIの提供を 2027 年春までに開始する予定
- Cisco Partner Incentive(CPI)の料率改定:パートナーの貢献に報いるための継続的な投資として、ACVの成長に対する報酬を50%引き上げるとともに、すべてのユースケースでAdoptを2倍に引き上げ、加えてCisco IQを対象とする新たなAdoptインセンティブを開始する
- +2%のクロスセルボーナスの追加:Splunkを含む新たなシスコアーキテクチャへと、顧客アカウントを拡大させているPreferredパートナーおよびPortfolioパートナーを対象に、既存のクロスセルリベートにさらに2%を上乗せ
- Cisco IQ Adopt インセンティブ:パートナーによるCisco IQの導入、活用支援のインセンティブであり、顧客のオンボーディングとテレメトリとの統合が確実に実行されるようにする
また、パートナーが差別化を図り、顧客向けのサービスを拡充できるように、より充実したパートナーエクスペリエンスリソースの提供を開始した。
- Partner Experience Platform(PXP)での案件登録情報の可視化:自動化されたリアルタイムのインサイトにより、パイプラインの健全性を最適化し、パートナーによる成長機会の特定を支援
- 高度なトレンド分析と適格性の追跡:新しいPVI APIにより、パートナーはビジネス成果を最適化し、パフォーマンスをプロアクティブに管理できる
- オンデマンドのエージェント型リソース:One Cisco Content Agent(ベータ版)により、パートナーの営業・マーケティング担当者は、承認済みのシスコのコンテンツに素早くアクセスし、特定の優先事項や業界トレンドに合わせて顧客ごとにバリュープロポジションをカスタマイズできる。これにより、関連性の高い共同ブランドのプレゼンテーションを、数時間ではなく数分で作成できるようになる
- 新しいCPI Deal Estimator:パートナーが案件ごとの収益性を試算し、すべての案件でリベート収益を最大化できるよう支援
- 新たなOT認定資格:IT、OT、セキュリティの融合が進んでいることを受け、Learn with Ciscoは新たな認定資格「Cisco OT Security Practitioner」を開始するとともに、新しいハンズオンラボ機能を備えたCisco Modeling Labs 2.11をリリースする
Cisco IQ:収益性の高いサービスに向けたパートナーの新たな機会
Cisco IQ for Partnersの一般提供の開始を発表。これにより、シスコのグローバルパートナーエコシステムは、マネージドサービスモデルとリセラーモデルの両方において、再現性があり利益率の高い成長を推進できるようになるとしている。Cisco IQは1万6,000社を超える顧客を擁し、2026年4月以降、2,000万台近くのデバイスを可視化してきたという。Cisco IQの対象範囲をパートナーにまで広げることで、取引成立後に新たな成長機会がもたらされるとのことだ。
- 差別化されたマネージドサービスの提供:Cisco IQ MCPサーバーと拡張されたAPI アクセスにより、パートナーはインテリジェンスを自社のプロフェッショナルサービス、ワークフロー、AIエージェントに円滑に統合できる。これにより、顧客のIT資産を即座に照会し、AIを利用した新たな脅威といった短期的リスクに対処しながら、顧客のインフラストラクチャのモダナイゼーション計画を支援できるようになる
- リセラー向けの安全で自動化された機能:Cisco IQの新しいロールベースのアクセス制御(RBAC)により、顧客は自社のインストールベースに対する直接的かつ安全な可視性をパートナーに付与できる。これにより、リセラーは、リアルタイムデータとAPIを駆使してマシンスケールで業務を行うインテリジェンス主導のパートナーへと変わり、ネットワークに潜むリスクを発見できるほか、手動でのエクスポートが不要になり、顧客のモダナイゼーションを積極的に支援できるようになる
またシスコは、Cisco IQの新機能を導入するとした。
- AIを搭載した新たなQuantum SafeおよびSoftware End of Vulnerability Support(EoVS)のプレイブックにより、通常のパッチ適用にとどまらないリスクの特定を支援
- Priority Bugs & Software Conformance Assessmentsにより、障害リスクの発見、修復の優先順位付け、アップグレードやハードニングサービスの範囲設定を行える
- Cisco Cloud Controlとの円滑な統合により、リアルタイムのリスクインテリジェンス(量子対応状況を含む)が表示される。また、Cloud Control内から直接、リスクのあるコントローラー管理型デバイスにワンクリックで対処できる
- 豊富なコンテキストを持つリアルタイムデータに基づいたCisco IQ AI Assistantの機能強化により、トラブルシューティングにおいてデバイス診断とCisco Technical Assistance Center(TAC)のナレッジが反映されるようになった。TACケース管理が簡素化されたことで、AI Assistant内からTACケースの作成、クローズ、エスカレーションを行える
回復力と安全性に優れたAI対応インフラストラクチャのイノベーション
有線・無線のネットワーク全体へAIエージェントの拡張を進める中で直面する、ダウンタイム、可視性のギャップ、IDベースの脅威によるリスクの増大といった課題に対し、Cisco Cloud Controlは、チームとAIエージェントが複数のIT領域をまたいで重要なインフラを保護・管理するための、共有型の統合運用プラットフォームを提供すること対処するという。
マシンスピードのコラボレーションと自動化をさらに推進すべく、シスコはCloud Control に新しいAgenticOps機能を導入するとのこと。主な機能は次のとおり。
- Model Foundry:シスコの専用モデルを実際の業務で使うための、Cisco Cloud Controlの新たなプラットフォームサービス。モデルのリサーチ、評価、微調整、独自データに対する実行のすべてを1ヵ所で行えるようになる。Model Foundryは、シスコのモデルの最新のバージョンと重みを、一般公開に先立ち、独占的に提供する場でもあるとのこと。限定提供(Controlled Availability)は、シスコのパートナーから開始される
- 信頼できる自律運用を支えるThousandEyesのインテリジェンス:Wi-Fi 6EおよびWi-Fi 7のアクセスポイントにThousandEyesをネイティブに統合。ThousandEyesの統合は、対象となるCisco Networking EssentialsおよびAdvantageライセンスに含まれる。追加の購入、導入、設定は一切不要。常時稼働のThousandEyesによって、オンラインのユーザーがいない場合でも、アプリケーションとネットワークのパフォーマンスを24時間体制で検証するように設計された自動のバックグラウンドテストを実行でき、エージェントによるアクションに対する顧客の信頼を高める
- エージェント連携:ネットワーキングプラットフォーム向けにMCPサーバーを導入。MCPサーバーは、標準化された橋渡し役として機能し、AIツールがライブネットワークデータに容易にアクセスできるようにする。これにより、パートナーは複雑なカスタム接続の構築・保守を行わなくても済み、トラブルシューティングやレポーティングなどのタスクを自動化するワークフローを簡単に作成できるようになる。また、具体的な対処につながるエクスペリエンス指標に、詳細なテレメトリを直接関連付けることで、ITチームによる問題の迅速な特定・解決を支援する
ミッションクリティカルなワークロードの接続、電力供給、保護に長期にわたって求められる強固な物理・デジタル基盤を提供すべく、シスコは回復力と量子安全性を備えた新たなイノベーションを導入するとしている。主な内容は次のとおり。
- ワイヤレスネットワーク全体への量子対応の拡大:耐量子機能を備えたWi-Fi 7 アクセスポイントの提供を開始。これは、ワイヤレス、スイッチング、ルーティングの3分野にまたがる包括的な耐量子ネットワーキングポートフォリオに新たに加わる製品である。これによりパートナーは、量子対応状況の評価を提供しつつ、顧客のインフラ投資を、10年以上先を見据えたものにできる。無線区間での耐量子暗号(PQC)を用いた量子安全な通信に向けて、シスコはQualcomm Technologiesの技術を搭載したアクセスポイントを提供。クライアント側の完全なソリューションは、IntelのWi-Fi チップセットおよびドライバーと、MicrosoftのWindows向けソフトウェアによりサポートされる
- Live Protectのサポート拡大:Live Protectは、サポート対象のシスコのプラットフォームおよびリリースにおいて、脆弱性の公表からパッチ適用完了までの時間のギャップを縮小する。今回、Live Protectが、N9000 シリーズ スイッチ、N9300 シリーズ スマートスイッチ、Catalyst SD-WAN 、C9000 シリーズ スマートスイッチ、CW9800 ワイヤレスコントローラでサポートされるようになった。Cisco 8000 シリーズ セキュアルーターおよび Cisco ファイアウォールでのサポートの提供は、2026年末までに開始する予定
- 特権インフラストラクチャアクセス:Teleportと共同で開発中のCisco Privileged Infrastructure Accessは、短期間のみ有効なID連動型の証明書を用いて、ネットワークチームとAIエージェントに対し、シスコのルーターとスイッチへの高速で統制の取れた、タスク固有のアクセスを提供する。セッションは記録され、権限はセッションの終了時に失効する
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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