クラウドからXBoxまで~エバンジェリストのテリトリーは広い
吾輩はエバンジェリストである。
担当製品はない、担当技術もなければ、担当している業界もない。おまけに所属部署もない。現在はマイクロソフト株式会社で社長である樋口のもと、あらゆるイベントや講演で主にクラウドコンピューティングに関するプレゼンテーションやデモンストレーションをこなしている。前職では日本オラクルにて同様にエバンジェリスト活動など10年以上行ってきた。
エバンジェリストにもさまざまなタイプがある。製品や技術のすぐれた部分を開発者を中心に紹介するタイプの者がいれば、製品や技術に特化しないで、悪く言えば「なんとなくいい感じ」の最新のトピックスを織り交ぜながら、その企業の価値を訴えるタイプの者もいる。
前者のなかでは、いわゆる.NETのエバンジェリストであるとか、iPhoneのエバンジェリストであるとか、あるいは、Windows Phone7のエバンジェリストなどが相当する。吾輩は言うまでもなく、後者の「なんとなくいい感じ」のタイプである。
先日は、軽井沢に出向いた。秋のはじまりを告げる軽井沢の空気は、エバンジェリストにとって最高の御褒美である。が、散策している暇はない。すぐにデモンストレーションの準備をはじめる。
軽井沢にお招きしたCIOの方々は総勢30名。そのCIOの方々に向けてクラウドコンピューティングと、そしてなぜか、XBox360の最新トピックスをデモンストレーションを交えながら皆様にお伝えするのが、この日の吾輩のミッションであった。
クラウドとゲーム。ちょっと想像してみてほしい。当たり前だが、クラウドコンピューティングのデモンストレーションとゲームのデモンストレーションは全く異なるものである。というか、そもそも全く違う客層であり、まったく違うカテゴリである。
しかし、そこはエバンジェリスト。やるときはやる。基本的にはどんなプレゼンテーションやデモンストレーションでも行う―これが、特定の製品に特化しないエバンジェリストのアティテュードなのである。いざとなれば、鍋や洗剤のプレゼンテーションをやる覚悟だってできている。