エバンジェリストに必要なもの
エバンジェリスト活動に極めて重要なのが電波である。
いや、正確にはインターネット接続である。どこに行ってもインターネットがあれば仕事がはかどるこのご時世ではあるが、どこに行ってもインターネットがあるわけではない。よって、エバンジェリストたるもの、どこに行ってもインターネット接続を確保できるように努力しなければならない。
インターネット接続を確保する努力とは、空気の中で飛び交っている電波をキャッチする能力でもなければ、「このあたりでネット接続できるカフェはありますか?」と通行人に聞く勇気でもない。さらに言えば電波を発するような身体能力を磨きあげることでもない。
ということで、最近モバイルルーターを購入した。最終的に3台購入することになった。この3台のモバイルルータに加えて、NTTコミュニケーションズのWiFiアクセスポイントの契約を追加した。さらに、USB接続のイーモバイル機器がある。
これだけあれば、「インターネットの接続できない状況はない」と言いたいのだが、意外にそうはいかない。ただ、活動している間のおおよそ95%ぐらいはネットワークに常時接続している状態に近い環境をつくりあげることが可能になっている。
残り5%に影響しているのは、飛行機に搭乗している状態、東京湾内の海上に出た状態、ネットワーク接続の準備をしている途中、電源が完全になくなってしまった状態のどれかである。やはり飛行機に搭乗している間は、休憩せよ、という意味であると吾輩は読み取っている。また、先日は船で東京湾に出ることがあった、さすがにインターネットなんてするなよ!という気分にさせる景観であったために、あきらめた。
一番厄介なのは、ネットワーク接続の準備をしている途中と電源が完全になくなってしまった状態である。おおよそイベントやお客様のもとで吾輩がネットワークの準備をしている時間帯というのは、名刺交換をしなくてはならない時間や、季節のあいさつを交えて弾む会話を演出しなければならない時間である。
このような場合、ネットワークの接続を確立しながら、お客様とのコミュニケーションを確立しなければならない。エバンジェリストの腕の見せ所である。とにかく、このネットワーク接続を確立するまでの準備時間はいくら手際が良くても2~3分ほどかかる。
そして、電源が完全になくなってしまった状態。この致命的な状態にならないように、電池の残量には気を配りながら毎日を過ごすわけではあるが、仕事の増加と電源の減少は比例する。電池の残量がなくなってもよいように、予備の電池をもつか、あるいは軽量の電源アダプタを持参することになる。
「どこでもインターネット接続を確保できるように努力する」ということは、多くの電池を持ち、多くの電源アダプタを持ち、イーモバイルもDoCoMoもWiMAXにも対応したルーターを持ち歩くということである。すなわち、機材の投資と持ち運べる肉体の維持である。