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次なる仮想化ポイント「ストレージ仮想化」

SANmelody×VMware VI3 評価版インストール-TEV  実践編-

仮想ボリュームの作成

 次は、仮想ボリュームを作成し、ESXサーバにマッピングする。SANmelodyの仮想ボリュームは、大きく分けて実容量のまま仮想化する仮想ボリュームと、シン・プロビジョニング(仮想容量)機能を使ったNMVボリュームの2種類がある。

 今回は、より柔軟で効率的なリソース管理が可能となるNMVボリュームを使った構成を行う。事前の確認として、SANmelodyのGUI上で仮想ボリューム用のRaw Diskが認識されているか確認を行う。

Raw Diskの確認
Raw Diskの確認

 NMVボリュームを作る場合は、まず新規NMV Poolの作成を行う。NMV Poolの作成は、GUI上の”NMV Pools”の項目から簡単に行う事ができる。NMV Poolはストレージのリソースプールの定義のことで、ここから物理容量に関係なく、任意のサイズ(上限2TB)で仮想ボリュームを複数作成することができる。同一のプールから作った仮想ボリュームは、物理容量をシェアして使う事ができる。物理容量は、Poolに新しいRaw Diskをオンラインで追加することができるため、データの増加にあわせた拡張ができる。また、NMV Poolからは、データ分の物理容量があれば、あらかじめ大きなサイズの仮想ボリュームを提供できるため、非常に柔軟なボリューム管理が可能となる。

Poolの作成
Poolの作成

 NMV Poolを作成したら、次はRaw Diskの追加を行う。この設定は”NMV Pool”の項目から行う。設定が反映されると、Raw Diskのイニシャライズが始まる。この、イニシャライズは、シン・プロビジョニングでリソースを割り当てていくSAU単位で行われる。また、イニシャライズ中でも、Poolからのボリューム作成などの設定は可能だが、負荷がかかっているため注意が必要である。

Raw Diskの追加
Raw Diskの追加

次に作成したPoolからVolume(NMV)を作成する。この設定は、”NMV Pool”の項目から行う。Volumeとは、SANmelodyのボリューム管理の階層ではVirtual Volume化する前の状態を指す。

Volume(NMV)ができたら、作ったVolumeをVirtual Volume化する。この設定は、”Virtual Volume”の項目から行う。NMV Poolから作ったVolume(NMV)は、デフォルトでは2TBに設定されている。Virtual Volume化する事で、ESXサーバがマッピングする準備できた事になる。

Virtual Volumeの作成
Virtual Volumeの作成

仮想ボリュームの作成

  1. 仮想ボリュームを作るRaw Diskが認識されているか確認
  2. NMV Poolの作成
  3. Raw DiskのPoolへの追加とイニシャライズ
  4. PoolからVolume(NMV)を作成
  5. Volume(NMV)からVirtual Volumeを作成

ESXサーバへのマッピング

 次は、いよいよESXサーバへのマッピングとなる。先ほど、作成したVirtual Volumeを”Application Server”の項目から2台のESXサーバへマルチマッピングする。

 マッピングの設定を反映させた後、ESXサーバ側でディスクをリスキャンすると、2TBのボリュームが見えてくる。シン・プロビジョニング機能で作った仮想ボリュームなので、実際には2TBある訳ではないが、ESXサーバからは2TBと認識されている。これをVMFSでフォーマットすれば、使用可能となる。

ESXサーバのボリューム認識画面
ESXサーバのボリューム認識画面

 シン・プロビジョニングで作った仮想ボリュームは、VMFS上では2TBと認識されているが、実際には実容量+α程度で運用が可能となる。実容量はデータの増加とあわせて追加すればよく、無駄なくリソースを活用できる。また、大きなメリットとして、実容量を準備しなくても、Poolから新たな仮想ボリュームを作成することができ、仮想ボリュームを削除すればPool内にリソースとして戻るため、非常に柔軟なボリューム管理が可能となる。

 ただし、実際に2TBの容量がある訳ではなく、実容量以上の書き込みはできないが、実容量以上の書き込みが必要な場合は、データの増加に合わせて必要容量の新規DiskをPoolへ追加すればよいのである。

 これで、TEV環境が完成となる。VMware VI3とSANmelodyが組み合わさることによって、ハードウェアに依存しない、オープンで柔軟なインフラが簡単に構築できる事をご理解いただけたと思う。後は、自由に新しいインフラであるTEVを使って、そのメリットと手軽さを体験してもらいたい。

ESXサーバへのマッピング

  1. SANmelodyから2台のESXサーバへVirtual Volumeをマルチマッピング
  2. ESXサーバでボリュームのリスキャン
  3. VMFSでフォーマット
  4. TEV環境上に仮想マシンを構築

 データコア・ソフトウェアでは、SANmelody評価版のより詳細なインストールガイドも用意している。TEVの体験の際は、参考にしてもらいたい。

 インストールガイドの申し込みは、DataCore-Japan-Sales☆datacore.comまで(☆を@に変えてください)。

より高度な利用方

 SANmelodyには、他にもボリューム複製によるバックアップ機能”Snapshot”、同期ミラーリングによる完全2重化機能”Auto Failover”、非同期のリモートミラーリングによる災害対策機能”Asynchronous IP Mirroring”など、さまざまな機能がある。

 これらの機能は、TEV環境においても非常に有効となる。本番環境でインフラ仮想化を導入する際には、ぜひこれらの機能を含めたTEV環境の利用をご検討いただきたい。

 次回は、商用サービスでTEVを早くから運用している国内ユーザーの事例を紹介する。

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この記事の著者

片山 崇(カタヤマ タカシ)

データコア・ソフトウェア株式会社  取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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