今まで4回の連載を通して、Total Enterprise Virtualization(TEV:インフラをトータルで仮想化するコンセプト)の内容やメリット、関連するソフトウェアや機能に関して解説してきた。第5回では、実際にTEVを体験できるよう、評価版ダウンロードの方法を解説していく。今回は、最も普及しているサーバ仮想化ソフトの一つであるVmware VI3と、データコア製品であるストレージ仮想化ソフトSANmelodyの評価版を使用する。
はじめに
今回は、SANmelodyの評価版とVMware VI3評価版をダウンロ−ドし、「Total Enterprise Virtualization (TEV)」のインフラを実際に構築してみる。過去4回で解説してきたTEVのメリットを実際に体験して欲しい。
Total Enterprise Virtualzation(TEV)の構成と事前準備
SANmelodyの評価版は、簡易なiSCSIもしくはFCのターゲットとしてIAサーバを使えるという点で、仮想インフラの評価を行うのに非常に最適である。今回は、さまざまなサーバ仮想化ソフトウェアの中でも最も普及しているVMwareのVI3とSANmelodyの評価版を使って簡単なV Motion(VMwareの物理サーバ間で仮想サーバを移動する高可用性機能)構成を作成し、体験する。
評価版SANmelodyはFCターゲットにも対応しているが、今回は機材を揃えやすいという利点からiSCSIターゲットで構成する。

今回の構成で必要となる機材やライセンスは以下の通りである(なお、VMware VI3側の機材やライセンスは、「V Motionが使える構成」という前提で止め、ここでは詳細な定義は行なわない)。
- VMware VI3サーバ (ESXサーバ×2:V Motion構成/Virtual Center×1)×3
- SANmelodyストレージサーバ用のIAサーバ×1
- CPU:1P/1C 1GHz以上を推奨
- メモリ:1GB以上を推奨
- HDD:インストールに65MB以上 および仮想ボリューム用のRaw Disk
- Ethernet:iSCSI用2ポート以上を推奨
- SANmelodyストレージサーバ用OS×1(Windows Server 2003 SP1 or SP2)
- SANmelody評価用ライセンス×1
SANmelodyストレージサーバ用のIAサーバは、ハードウェアのキッティング、およびOSをインストールした状態まで準備をしておく。その際、Windows OSのサービス設定で、VirtualDiskService(VDS)を「手動」から「無効」にしておく必要がある。
事前準備
- VMware VI3サーバを用意
- VMware VI3のインストール
- ESX ×2 / Virtual Center×1
- SANmelodyサーバを用意
- SANmelodyストレージサーバ×1
- SANmelodyサーバのOSインストール
- WindowsのVDSを無効
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- この記事の著者
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片山 崇(カタヤマ タカシ)
データコア・ソフトウェア株式会社 取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種の...
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