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「仮想サーバに最適なストレージ仮想化ソフト」-SANmelody 機能編-

  2007/11/19 12:00

24時間運用や、データの増加などによりインフラの運用要件は多様化してきている。さらに仮想化されたインフラは、その柔軟性から導入後に要件が変化していく事も多い。第4回では、それら多様化し変化していく要件に対応可能なストレージ仮想化ソフトSANmelodyの主要機能とソリューションを、現在抱えている課題の解決、有効な新機能の理解など、実践的な手引きになるよう紹介していく。

はじめに

 前回は、SANmelodyのアーキテクチャの詳細やメリットを解説した。本章では、主な機能を紹介していく。

前回までの記事

ハードウェアに依存しないストレージ機能

 ストレージの仮想化とひとことで言っても、さまざまな方法や付加機能がある(第1回第2回参照)。

 データコアのSANmelodyは、仮想ボリューム単位でさまざまなストレージの機能を提供している。そのため、ハードウェアの制限無くその機能を利用できるのが大きな特徴だ。

 一般的にストレージというのは、ある程度の予測の元にサイジングをし、容量や機能を先行投資していくケースが多い。しかし現在の多様化したインフラや、仮想化技術を利用しているインフラなど、要件が変化しやすいインフラ環境では多くの無駄を生む一因にもなっている。SANmelodyの仮想ストレージ環境ではライセンス間のアップグレードにより要件の変化に対応できるため、先行投資を抑える事が可能になる。SANmelodyのライセンス選択でポイントになるのは管理するインフラの物理容量と必要機能である。

 SANmelodyの主な機能は5つある。

  1. FC / iSCSIターゲット機能

     SANmelodyサーバ上のFC-HBAやNICに専用ドライバを入れる事で、ターゲットとして動作をし、FC / iSCSIターゲットの混在も可能にする。ターゲットポート数はライセンスで管理されており、アップグレードによって構成可能なターゲットポート数を簡単に増やす事ができる。

     ソフトウェアのターゲットのため、将来搭載するかもしれない8Gbps FCや10Gbps NICへの対応も容易になり、投資を無駄にすることがないのも大きなメリットとなる。iSCSIターゲットはすべてのライセンスで標準機能として提供され、FCターゲットは一部のライセンスでオプション機能になっている。

  1. シン・プロビジョニング機能

     Thin Provisioning Option(※オプション名)は、ストレージプールから仮想ボリュームを作り、書き込み要求があった分だけ実用量を割り当てていく機能である。未仮想の場合、ストレージの容量管理はボリュームごとに余剰リソースを準備し、将来の需要予測のもと過剰な投資をするケースが多い。その結果、ストレージの使用率は低下し、さらに余剰リソースを抱える事になる。

     シン・プロビジョニング機能を使用することでストレージの使用率は向上し、データの増加にあわせて容量を追加していく運用が可能になる。

シン・プロビジョニング機能
シン・プロビジョニング機能
  1. スナップショット機能

     Snapshot Optionは、仮想ボリューム単位で複製を作るバックアップ機能の1つとして提供されている。この機能はハードウェアに依存しないため、ストレージの筐体を渡った複製をとる事が可能となる。また一度完全複製を作ると、次回の複製は前回実行時からの差分ブロックのみの更新になり、短時間で完全な複製が取れる事が大きな特徴である。

     またコマンドを利用することで、アプリケーションサーバとの連携や運用の自動化を行う場合が多い。

     なお、スナップショットのボリュームは、バックアップサーバやテストサーバにマウントして利用することができる。

スナップショット機能
スナップショット機能
  1. 同期ミラーリング機能

     Auto Failover OptionはSANmelodyサーバを冗長化し、仮想ボリューム単位で同期ミラーリングを行う高可用性の機能である。ミラーリングを仮想ボリューム単位で行うため、ストレージ筐体間の同期ミラーリングが可能となり、ハードウェアを越えた可用性を提供する。この完全2重化ストレージは単一障害ポイント(SPOF)を無くし、メンテナンス時のダウンタイムを無くすなどの効果がある。

同期ミラーリング機能
同期ミラーリング機能
  1. 非同期遠隔ミラーリング機能

     Asynchronous IP Mirroring(AIM)Optionは、SANmelodyサーバを遠隔地に導入し、IPを使った非同期のリモートミラーリングをする災害対策向けの機能である。更新ブロックだけを転送するため転送量が少なく、ディスク上に転送バッファと受信バッファを構成するため回線の品質を吸収できるのが特徴となる。一般的なストレージベースのリモートミラーリング機能と違い、ハードウェアの仕様を気にする必要がないため、段階的な拡張や転送先のコストを抑えた構成をとる事が可能になる。

非同期遠隔ミラーリング機能
非同期遠隔ミラーリング機能

著者プロフィール

  • 片山 崇(カタヤマ タカシ)

    データコア・ソフトウェア株式会社  取締役 兼 セールス・マーケティングマネージャー 成蹊大学法学部卒。アルゴ21において仮想ストレージ、SAN、バックアップ、災害対策、ストレージアセスメントなどのストレージソリューションの営業を幅広く経験。現在、仮想ストレージベンダーであるデータコア・ソフトウェアにて、様々な業種のユーザーに対しコンサルティング的な視点からセールスを行う。また、仮想化業界全体の動向を分析、予想するマーケティングマネージャーを兼任している。 URL:http://japan.datacore.com/ Eメール:

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