復興の仙台にビジネスマッチングの機会を
仙台から石巻へ、そしてまた仙台へ。フェーズの異なる各地の状況は、Hack For Japanの今後の活動にどのような示唆をもたらしただろうか。
「正直いってITが役に立てると思うこと自体、おこがましいというくらいの惨状もあった。しかし、がれきの撤去すらできていない地域がある一方で、仙台は元に戻りつつある。ゼロサムゲームにならないようにも、どこかでITを使っていかなければならない。一番手っ取り早いのは、仙台のIT企業に仕事を発注して、経済を回していくことかもしれないが、僕たちは宮城県の企業のことをほとんど知らない。Hack For Japanとしてできることの1つは、仕事を発注するための仕組み、基盤づくりといったビジネスマッチングかもしれない」(及川氏)
「仙台で開発者を集めたビジネスマッチングを目的としたイベントを開催するというのが現実的かもしれない。あくまで地元主導で動いてもらって、僕らはそれを支援するという形で貢献したい。タイミングや調整など、いろいろ困難もあると思うが、とにかく行動することだと思う」(西脇氏)
*
今回の訪問では、がれきさえ片付いていない沿岸部と、復興へ動き始めている仙台中心部の両方を見てまわった。電気が、水が、ガスが必要なのか。PCが、スマートフォンが必要なのか。ITが使える人間が必要なのか。あるいは、仙台のIT企業に活気を取り戻すことが必要なのか―復旧、復興の段階はそれぞれに違い、Hack For Japanが貢献できることも、それぞれにあるのだろう。
「本当の意味での復興は、僕たちの子供の世代になるでしょう。世間ではすでに関心が薄れてきている。忘れないように。風化しないように。長く情報発信を続けてほしい」と佐々木氏は語る。
平日は仙台のIT企業の復興に奔走する佐々木氏。週末になると、津波被害がありながらも、手つかずの地域を回っているという。
*
【関連URL】
Hack For Japan