Oracleによるベンダーロックインからの解放をHPがリードする
2011年4月26日、日本HPは同社のデータベース戦略について発表を行った。その際のキーワードは「ロックリリース」。HPが、ベンダーロックインを発生させていると指摘する対象は、もちろんOracleのことだ。その背景として、HPの試算によると2005年当時と比べ、ハードウェア価格は20分の1程度に下がっているのに、データベースソフトウェアのライセンス費用はほとんど下がっていないということがある。そのため、2005年当時のスペックのハードウェアを用意すると、データベースライセンスの費用はハードウェア価格の11倍にも上るケースがあるというわけだ。
「顧客はトータルコストを削減するためにデータベースの見直しを迫られることになる」と語るのは、日本ヒューレット・パッカード 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 杉原 博茂氏。
とはいえ、ハードウェアを入れ替えることよりも、データベース移行には大きな手間とコストがかかる。そのため、顧客はデータベースの乗り換えを躊躇してしまう。
つまりデータベースに関してはベンダーロックインの状況が発生しており、それが顧客の利益を損なっているとHPは主張しているのだ。
エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 製品戦略室の山中 伸吾氏は、ベンダーロックインに対する不満の声が多くの顧客から聞こえてくると言う。
そして、山中氏が話題にしたのが、3月22日にOracleが発表したItanium対応製品について、今後もサポートは続けるが新規開発をやめるとした件。この際にOracleは、Intel自身の開発の中心がItaniumからx86系にシフトしていると主張している。山中氏はこれは誤りであり、HPはIntelと共にすぐに抗議したとのこと。そして、Oracleが顧客を無視した暴挙に出た真の理由は、買収したSunサーバーの市場シェアが落ち込んでいるため、それを保護するための施策だと主張するのだった。