人財の現場あるあるシチュエーション
多くの企業では人事部において人財開発の担当を置き、研修制度を充実させるなど、企業人財を育てようと試みています。また、なかなか人財教育に割ける時間がないような現場では、たたき上げで自然に育ってもらいたいというような個人頼みの状況も中小企業などでは多くみられます。
人財育成を考えるうえで何よりも重要なことは、現状分析・人財の可視化です。可視化ができない限り何が効果的な戦略なのかを確信することはできません。
経営者やマネージャ、社員がどんな悩みを持っているのか。。よくある話を再現してみましょう。
まずは、経営者とマネージャーの新規事業開発における現場にて、以下のような話が出てくるとしましょう。
常務「小泉くん、これからはクラウドコンピューティングの時代だから、わが社でも特命チームを作って、他社に先行して戦略事業を立ち上げようではないか。ちょっとプランして各事業部長との調整をやってくれ」
これを受け、新規事業プラン検討会議にて次のようなやりとりが交わされます。
小泉「えーこれはわが社の戦略事業として常務特命で行われるプロジェクトです。つきましては事業に関連する部門をこちらから指定させていただいております。また大変恐縮ですが各部門からこのプロジェクトへ生え抜きを選出いただき、場合によっては異動も念頭に置いてアサインをお願いします!」
各事業部長「ざわざわ。。」「どやどや。。」「がやがや。。」
谷川事業部長「ちょっ、ちょっと小泉部長!既存の事業の収益性や人財配置の事業部間での偏りなども合わせて検討資料として提示していただかないと、我が事業部の生え抜きを簡単に出すわけにはいかないですよ。それは他の事業部も同様だと思いますが・・」
なんていうことは多くの企業ではよくある出来事ではないでしょうか?
人事異動が発生するような新規事業の発足では、既存部門からの抵抗は必至ですね。そんな時にあなたの会社では、
「その検討資料はすぐに提出させていただきます。」
とか、
「こちらの画面を見てください。現在わが社にはここでリストされているような職務を十分適切にこなせるスキルを保有した人財がこのマトリックスのように分布しています(キリッ!)」
ということができるでしょうか?ほとんどの企業は、以下のような状況ではないでしょうか?
「会社全体の人財マップがどうなっているかを把握できる資料はすぐに準備することはできません」
「各部門のマネージャから情報を集めるしかないですね」
前者の企業については、新規事業を計画的かつ効率的に行うことが可能でしょう。ただし、後者のような企業であった場合は、新規事業への人財の配置からつまずくことになるでしょう。人財の可視化ができていないという問題が多くの経営者の悩みとなります。