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そろそろ本気で人財育成の話をしないか

パフォーマンスを上げるための組織作り(設計・実装編)

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人財像へのスキルマッピング

 ある人の保有するスキルを可視化するだけで終わってはいけません。

 組織が必要とする人財をイメージしてその人財にどの機能を担ってもらうかを定義しましょう。たとえばカスタマーサービスという職務の人には「問合せ対応」や「システム保守」に対する高いスキルを保有して欲しいですね。このような紐づけ・マッピングが企業に必要な人財像の可視化につながります。

 また、ここで紐付している「問合せ対応」や「システム保守」などは「テクニカルスキル(専門能力)」と呼ばれます。実際に業務を円滑に回していくためには、ヒューマンスキル(人間力)やコンセプチュアル(抽象化能力)などコンピテンシーと呼ばれる能力も影響します。

コンピテンシーとは、ネットで検索するとたくさん見つかるのですでに一般的な用語になりつつありますが、高い業績を上げる人の共通的な行動特性ですね。

 人財像を構成するスキルには「テクニカルスキル(専門能力)・ヒューマンスキル(人間力)・コンセプチュアルスキル(概念・抽象化能力)」があるというのはハーバード大学のロバート・カッツ教授による分類だそうです。なるほど!

 したがって人財像を作るときは、テクニカルスキル(専門能力)に合わせてコンピテンシーも紐づけてあげると良いでしょう。ただしコンピテンシーについては一般的なスキル標準というものが存在しません。自社に合わせて独自に定義が必要です。例えば対人・対自己・対組織のように分類してスキルを定型化しておくと幅広くさまざまな職務の人財像にコンピテンシーを紐づけることが可能です。

 例えば対人のスキルを分類すると以下のようになります。

 コミュニケーションスキルの「顧客志向」「チームワーク」には以下のような設問を用意します。

 次の画像は、カスタマーサービスという人財像にスキルの「テクニカルスキル(カスタマーサポート)」と「コンピテンシー(コミュニケーション)」を紐づけているイメージを示しています。

 さて、ここまで定義ができると「各個人のできること」と「各個人が向いているまたはこなせる職種・職務」がわかるようになります。

 ただし、ここまでの定義では、人財像という視点でどの程度熟達した人財なのかを判断することができません。スキル設問ごとの習熟度しかわからないため何らかの判定基準が必要になります。そこでIPAが規定しているスキル標準では、人財像に対するレベルという考え方を規定しています。

次のページ
人財像の可視化と評価メカニズム

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この記事の著者

二階堂隆(ニカイドウ タカシ)

株式会社ワン・オー・ワン 代表取締役社長データベースソリューションを中心とする自社ブランド製品の開発/販売/コンサルテーションが業務の中心。モットーは、「何事もシンプルに考えること・実装すること」。趣味は身体を動かすこと、とくにサッカーはプレーも観戦も大好き。浦和レッズの熱狂的ファン。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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