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ポジティブ心理学と、アジャイルのこころ 〜 Agile 2011 Conference

Agile 2011特別レポート DAY2


8月8日から12日までの5日間にわたって米国ユタ州のソルトレイクシティで開催されている世界最大級のアジャイルイベント「Agile 2011 Conference」。現地レポーターの藤原大と川口恭伸が世界におけるアジャイルの今を探ります。本稿では、社会心理学者で『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』(日本実業出版社)の著者Barbara Fredrickson氏のセッション「Why Care about Positive Emotions?」を紹介します。

Agile 2011 Conference の来場者数は1604名

実行委員長トッド・リトル氏
実行委員長トッド・リトル氏(中央)

カンファレンスの2日目は、実行委員長トッド・リトル氏のスピーチからスタート。今年は43ヶ国から1604名もの人々が集まる大規模カンファレンスとなったと報告されました。期間中には968本のセッション提案から選ばれた268本のセッションが行われる予定ですが、期間はわずか5日間ということもあり、並行セッションに関してはビデオ対応も行う予定です。

カンファレンス入場者数
報告されたカンファレンス入場者数

基調講演: なぜポジティブな感情について考えなければいけないのか?

バーバラ・フレデリクソン氏
基調講演を行うバーバラ・フレデリクソン氏

2日目の基調講演は、「Positivity」(日本語訳: ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則)というベストセラーを持つ心理学の教授バーバラ・フレデリクソン(Barbara Fredrickson)さんによる「Why Care about Positive Emotions? 」。ポジティブ心理学についての講演でした。

ポジティブ心理学は、1998年にマーティン・セリグマンとミハイ・チクセントミハイが提唱した、心理学の中でも比較的新しい研究領域です。私たちが心理学と聞いて思い浮かべる臨床心理学では、精神的な病理を解析​して人々を健康な状態に戻すことを主眼に置いています。つまり、マイナスの感情をゼロに戻す。これに対し、ポジティブ心理学は、感情をゼロからプラスに向上させる原理とプラスの感情を持つことの効用に着目しています。もちろん、れっきとした学問ですから、社会実験と統計的分析に基づ​く科学的な事実を連綿と積み上げることによって、そのメカニズムを徐々に明らかにしているのです。

さて、一見、今回のイベントとは無縁のように思われるポジティブ心理学ですが、実はアジャイルにとって非常に重要なことを示唆しています。それは、アジャイル開発が信頼やオープンネスを基本的な柱として重視していることに関連しています。ここでアジャイルマニフェストを見てみましょう。

<アジャイルソフトウェア開発宣言(http://agilemanifesto.org/iso/ja/)>
  プロセスやツールよりも個人と対話を、
  包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
  契約交渉よりも顧客との協調を、
  計画に従うことよりも変化への対応を、
  価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、
  私たちは右記のことがらにより価値をおく。

個人との対話を重視すること。現在のソフトウェアの状況を包み隠さず動かして見せること。腹の探り合いではなく協調関係を顧客との間に築くこと。常に目を開き、きちんと現実を見据えること。いずれの原則も、他者との信頼とオープンネスを基本としているのです。

しかし、この信頼とオープンネスはすべての人が常に持っている訳ではありません。どういう人がどういう条件を持ったときに、信頼とオープンネスを持ちうるのか? そのためのヒントを科学的な観点から提示してくれるのがポジティブ心理学なのです。

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ポジティブさがもたらす効用

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この記事の著者

川口 恭伸(カワグチ ヤスノブ)

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https://enterprisezine.jp/article/detail/3395 2011/08/16 16:19

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